2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国陝西省北宋時代石窟造像の調査研究-子長県鐘山石窟を中心として-
Project/Area Number |
13571005
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
岡田 健 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター・国際情報研究室, 室長 (40194352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根立 研介 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10303794)
津田 徹英 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部・広領域研究室, 研究員 (00321555)
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Keywords | 陝西 / 北宋時代 / 石窟 / 仏教美術 / 子長 / 鐘山 / 三世仏 / 文化財保存 |
Research Abstract |
1.現地調査8月8日〜8月16日の日程で岡田、津田、根立と研究協力者として青山学院大学博士課程萩原哉の4名が中国へ赴き、中国側共同研究者の陜西考古研究所張建林、西安文物保護修復センター張在明、同笵培末、延安地区文物研究所姫乃軍、同袁継民の各氏とともに、昨年に引き続いて鐘山石窟について調査を実施した。本年は、最大かつ最重要の1067年の年記がある第3窟について、大型カメラとデジタルカメラによる撮影、壇上合計8本の柱に刻まれた千仏の調査、洞窟4壁の調査、銘文拓本の採取、平面図・立面図の継続作成を実施した。風化の甚だしい第1、2窟についても、詳細な調査と撮影を実施した。さらに現在封鎖されている第4、5窟についても調査を実施し、とくに第5窟において窟内に2天王像、および羅漢像の痕跡があることを確認した。同時に陜西考古研究所の専門技術者の協力を得て、同窟の平面図、立面図の作成、および窟内銘文の拓本作成についてその作業を完成した。 このほか、関連の北宋時代石窟寺院として、陜西省安塞県黒泉駅石窟、富県石泓寺石窟においても調査を実施した。 2.資料の整理(1)調査ノートを整理し、(2)今年度撮影分の6×7型ポジカラー写真40枚とデジタル画像805枚を整理した。(3)中国側が担当して作成した第3窟の平面図、立面図および各像の図が完成した。 3.中国側研究分担者の招聘 第2年次は平成15年1月18日から2月1日の日程で西安文物保護修復センター張在明、笵培末の両氏を日本へ招聘し、関連資料を調査するとともに、1月22日に東京文化財研究所において地図情報を活用した文化財の保護に関する研究会を開催して、美術史研究、文化財保存の専門家との交流をはかった。 4.これら調査の成果をもとに、最終年度となる2003年秋に西安において同石窟に関する報告と討論のためのシンポジウムを開催する予定で準備を進めている。
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