2004 Fiscal Year Annual Research Report
長期的視野における韓国の地域社会伝統研究-近世両班社会から現代都市へ-
Project/Area Number |
13571014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋 陸奥彦 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30115406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 宣子 大東文化大学, 国際関係学部, 助教授 (20307143)
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Keywords | 韓国 / 地域社会 / 歴史 / 地理 / 量案 / 戸籍 / 植民地 / 都市化 |
Research Abstract |
1.現地調査: 研究計画の最終年度にあたり、代表者および分担者は、これまでの調査結果をまとめるための補充調査を8月に実施した。また代表者は、調査結果の公表に先立ち、調査地の情報提供者に対して研究成果を提示し、その公表についての了承を得た。 2.海外研究協力者との合同研究会: 6月に韓国・嶺南大学において、代表者・分担者および5名の海外研究協力者とともに合同研究会を開催し、研究のまとめに向けて、各人の検討している事象の間の相互関係について討議した。さらに10月には、東北大学において海外研究協力者を招聘して最終共同研究会を開催し、朝鮮時代から植民地期を経て現代に至る長期的展望のもとに、地域社会の持続性と変化という両面から、今回の研究成果のとりまとめを行うための討議をおこなった。 3.研究成果報告書をまとめた。本研究による主要な具体的知見は以下の通りである。 ・対象地域を自然・人文地理学的観点から考察し、都市化以前と以後の状況を概観した。(李哲雨) ・戸籍分析によって地域社会を構成する集落と親族集団の生成と変化を明らかにし、朝鮮時代後半以来の農村社会の動態を持続と流動性の両面から考察した。さらに近年の都市化に対するそれらの対応を、小農社会の終焉というマクロな現象の視点から考察した。(嶋陸奥彦) ・1721年の大邱・租巌坊量案をもとに17〜18世紀の土地所有状況の変化を分析し、親族集団と社会階層と土地所有の相互関係を考察した。(宮嶋博史) ・戸籍を中心とする大邸研究史を概観し、特に最近の新しい論点を整理するとともに、官衙所在地とその他の対比から朝鮮時代後期の大邸地方における都市と農村の併存状況に注目した。(金〓榮) ・植民地期の学校教育および抗日運動参加者について、私立徳山学校と月背国民学校の設立および1919年の巴里長書事件を中心に調査・分析し、朝鮮時代以来の地域両班階層の植民地時代における対応を実態に即して考察した。(古川宣子)
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Research Products
(2 results)