2003 Fiscal Year Annual Research Report
文明間の対話促進のための基盤研究〜障壁の分析と可能性の探求
Project/Area Number |
13571015
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
内藤 正典 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (10155640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 一泰 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (50212337)
宮地 尚子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 助教授 (60261054)
関 啓子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20107155)
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Keywords | イスラーム / 文明間の対話 / EU / カフカス地域 / 非西欧文明圏 / 紛争回避 / ラテンアメリカ文化 / 中東地域 |
Research Abstract |
本研究では、西欧世界と非西欧世界との間の衝突を回避するために必要な対話を促進するための基盤研究を推進した。2001年9月11日の同時多発テロ事件以降、世界ではアフガニスタン侵攻、イラク戦争、さらにパレスチナ問題の危機的状況と、本課題に関連する事件が頻発した。これを受けて、本研究では、第一に西欧世界とイスラーム世界とのあいだの摩擦や対立が、市民の日常生活のレベルから、国際関係に至るまで、いかにして発生し、展開していくのかを明らかにすることに主眼を置いた。具体的には、EU諸国におけるイスラーム問題の現状分析および旧ソ連邦から独立したカフカス地域におけるナショナルアィデンティティ形成過程に関する実態調査を中心とした研究を行った。同時に、文明間の対話における主体としての人間の精神的側面に関する研究を行い、個々の人間、社会集団、国家というさまざまなレベルにおける紛争の実態とそれを回避させるための社会科学的方法に関する理論的研究への足がかりを得た。 これらの研究をふまえて、今日、焦眉の急となっている西欧文明圏と非西欧文明圏との緊張の緩和のために、衝突を引き起こす構造的要因としての西欧中心主義的国家システムのあり方、および巨大化したメディアの機能、さらには近代以降の西欧思想における啓蒙主義的要素などについて再検討が必要であるとの結論に達した。今後は、以上の三点について、さらに研究を深化させることにより、紛争回避のための対話促進の実践に向けて、より具体的な政策提言を行いたいと考えている。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 内藤正典: "イスラーム・テロ発生の構造要因と抑止対策"「9・11以降の欧米関係」平成14年度外務省委託研究報告書. 62-75 (2003)
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[Publications] 内藤正典: "中東地域とイスラーム文化〜社会の基底をなす価値観"地理月報. 477号. 1-4 (2003)
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[Publications] 内藤正典: "Role of Religion in the 21st Century, Prevention of Crisis among Civilizations (訳:21世紀における宗教の役割〜文明間の衝突を抑止するために)"Intercultural Dialogue and Conflict Prevention Project, Expert Colloquy, Strasbourg, 7-9 October 2002, Council of Europe(基調講演). 1-8 (2002)
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[Publications] 落合一泰: "Lu forma de la historia profunda : Una revision de algunos estudios etnohistoricos en Mesoamerica(深い歴史のかたち-メソアメリカ民族史研究の再検討)"Cuicuilco. 9巻26号. 199-233 (2003)
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[Publications] 内藤正典: "勝てない戦争の行方〜アメリカは何を見誤ったか"現代思想、4月臨時増刊、総特集イラク戦争. 第31巻第5号. 108-113 (2003)
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[Publications] 落合一泰: "Los mayas paisajistas : Transmision de 'la cultura de lo perecedero'a traves de los siglos(風景画家としてのマヤ人-『はかなき文化』の世紀を超えた持続性をめぐって)"Atti del Colloquio Internazionale Il Sacro e il Paesaggio nell'America Indigena, Dipartimcnto di Paleografia_e Medicvistica, Universita di Bologna, Bologna, Italia. 46-56 (2003)
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[Publications] 関啓子: "Beyond Silence : Social and Historical Reflections upon EDucational Projects"HITOTSUBASHI JOURNAL of Social Studies. Vol.35,No.2. 29-46 (2003)
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[Publications] 宮地尚子: "拷問とトラウマ"トラウマティック・ストレス. 第2巻第1号. 13-20 (2004)
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[Publications] 内藤正典 共著: "イラク戦争、検証と展望"岩波書店. 338 (2003)
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[Publications] 内藤正典 共著(編著者): "新しい戦争とメディア〜9・11以後のジャーナリズムを検証する"明石書店. 283 (2003)
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[Publications] 内藤正典 共著: "イスラーム地域研究の可能性"東京大学出版会. 263 (2003)
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[Publications] 内藤正典 共著(編著者): "新しい戦争とメディア〜9・11以後のジャーナリズムを検証する"明石書店. 283 (2003)
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[Publications] 関啓子 共著: "教育の共生体へ"東信堂. 280 (2004)
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[Publications] 宮地尚子 編著: "トラウマとジェンダー"金剛出版. 274 (2004)