2002 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・オセアニアにおける音楽のグローバル化とローカル化に関する民族学的研究
Project/Area Number |
13571018
|
Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
山田 陽一 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (80166743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
卜田 隆嗣 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (40202113)
寺田 吉孝 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助教授 (00290924)
中川 真 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40135637)
植村 幸生 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80262252)
|
Keywords | 民族音楽学 / 文化人類学 / ポピュラー音楽 / ワールド・ミュージック / ヴァヌアツ:ニューカレドニア / 中国 / インドネシア:マレーシア:ベトナム / インド:シンガポール |
Research Abstract |
山田陽一は、ヴァヌアツのポートヴィラ市で開催された第2回メラネシア芸術祭に参加し、ヴァヌアツ、ニューカレドニア、フィジーの伝統音楽とポピュラー音楽のライヴ・パフォーマンスの調査をとおして、メラネシア諸国間における音楽の伝播と交流の実態を把握した。また、ニューカレドニアのヌーメア市とベトナムのハノイ市、ホーチミン市の音楽制作スタジオおよびCDショップにおける音楽関係者とのインタビューをとおして、音楽の制作・販売戦略の一端を明らかにした。 中川真は、2003年7月に開催予定のジョクジャカルタ芸術祭の予備調査として、芸術祭組織委員会やジョクジャカルタ特別州観光文化局のメンバー、ガジャマダ大学教授たちへのインタビューをおこなった。その結果、芸術祭においてジョクジャカルタの音楽文化がいかに提示されるかという調査テーマがクローズアップされた。 寺田吉孝は、インドのチェンナイ市において、フュージョン音楽の演奏家やプロデューサーにインタビューし、かれらの音楽的背景や南インド外部からの音楽的影響に関する聞き取り調査をおこなうとともに、音楽制作スタジオやCDショップにおいて、同音楽の生産形態や流通経路を調査した。また、フユージョン音楽の重要なマーケットであるシンガポールで、タミル人社会における音楽流通状態の調査をおこなった。 卜田隆嗣は、マレーシア(ジョホールバル市、コタバル市、ムラカ市)、タイ(パタニ市、ナラティワット市)において、ムスリム芸能活動に関する調査をおこなうとともに、ジャワ起源とされるトランス芸能「クダ・クパン」の伝播と変容、および汎マレー化とローカル化の過程と現状について調査した。 植村幸生は、延辺大学芸術学院において朝鮮族の伝統楽器の改良に関する調査をおこなうとともに、伝統音楽の教習の実状と発声法の変化について、同学院教授数名から有益な情報を得た。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] YAMADA, Yoichi: "How foreign musics have been localized in Papua New Guinea?"BKIMAUS (Institute of Papua New Guinea Studies). 24・3(印刷中). (2003)
-
[Publications] NAKAGAWA, Shin: "Masalah Pendidikan Musik di Perguruan Tinggi"SELONDING (Jurnal Etnomusikologi Indonesia). 1・2. 50-56 (2002)
-
[Publications] 寺田吉孝: "ペリヤ・メーラム音楽における伝承形態の変化"江口一久(編)『礼儀と口頭伝承』風響社. 341-348 (2002)
-
[Publications] 卜田隆嗣: "出すこと・うたうこと"徳丸吉彦(他編)『芸術・文化・社会』放送大学教育振興会. (印刷中). (2003)
-
[Publications] 植村幸生: "田邊尚雄と『東洋音楽』の概念"浅倉有子(他編)『歴史表象としての東アジア』清文堂. 225-239 (2002)
-
[Publications] 植村幸生: "延辺の三つの声"韓国朝鮮の文化と社会. 1. 244-247 (2002)