2003 Fiscal Year Annual Research Report
パプアニューギニアにおける太平洋戦争:占領施策、歴史認識、戦争による社会変容
Project/Area Number |
13571029
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
豊田 由貴夫 立教大学, 文学部, 教授 (20197974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 一平 東海大学, 海洋学部, 教授 (10259377)
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Keywords | 太平洋戦争 / パプアニューギニア / 占領施策 / 歴史認識 / 社会変容 / オーストラリア / 近・現代史 |
Research Abstract |
1.個別の調査活動 豊田と研究協力者である岩本を中心に、パプアニューギニア(以下、PNGと略)とオーストラリア、日本において調査を行い、占領施策、歴史認識、社会の変容について以下のような成果を得た。 (1)占領施策については、昨年度より引き続いてPNGでの現地聞き取り調査を行い、PNGのほぼ全域にわたっての聞き取り調査を完了させた。軍関係記録の調査は、オーストラリアの戦争記念館および日本の防衛研究所戦史室の資料調査を中心に行い、オーストラリア軍の現地統治組織および日本軍のセピックを中心とした地域における占領部隊の組織と実態の調査をほぼ完了させ、これで日本軍と連合軍の両軍による占領施策の全体像が浮かび上がってきたといえよう。 (2)歴史認識については、昨年度に引き続いて戦後出版物、新聞・雑誌報道、聞き取り等による調査を継続したが、今年度までの段階では、文字資料および口述資料の収集にとどまり、日本・オーストラリア・PNG間の比較・分析作業はまだ十分には行われていない。 (3)社会の変容については、その基礎データとなる人的・物的被害、軍に徴用された労働者数、経済への影響に関する公文書史料を調査・収集し、今年度までに多くの成果を得た。日本軍関係資料は占領地域および時間において部分的にしか存在しないことが判明した。PNGでの現地聞き取り調査の終了によって、現地住民にもたらしたと思われる世界観・戦争観への影響は地域によって多様性があるものの、その全体像がかなり明らかになったと言える。 2.国際シンポジウムの開催 今年度8月7・8日には、昨年度より延期されていた国際シンポジウムをオーストラリア国立大学で開催した。上述の主要研究課題に加えて、オーストラリア人捕虜、インド人労働者、日本軍従軍看護婦など、従来手をつけられなかった重要なテーマに関する報告が行われた。
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Research Products
(2 results)