2001 Fiscal Year Annual Research Report
ロシア極東少数民族の伝統的生業と居住形態に関する民族考古学的研究
Project/Area Number |
13571036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70169184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 宏之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50292743)
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 民族学研究開発センター, 助教授 (70178648)
浅川 滋男 鳥取環境大学, 環境情報学部, 教授 (90183730)
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Keywords | 民族考古学 / ロシア極東 |
Research Abstract |
本研究は、ロシア極東地域の民族考古学的研究を目指したものである。 初年度はアムール川最下流部にすむ先住民族である、ティル、カリマ、ブラバなどウリチ、ニブヒの諸村落を訪ねた。ニブヒの住む諸集落では複数のインフォーマントから伝統的な生業、おもに漁撈、狩猟に関する聞き取り調査をおこなった。その結果、以前調査したより上流の地域とは棲息する動物相が大きく異なり、その結果として正業活動も大きく異なり、狩猟の比重が低く、漁撈活動が活発であったことが判明した。 また、古い時代の祭祀活動を理解するために、クマ祭りをおこなったと伝えられる場所を踏査し、現在も残っているシャーマンについてのその実態調査をおこなった。 最下流部の都市であるニコラエフスク・ナ・アムーレでは郷土博物館にて、考古資料、民族資料の調査をおこなった。最下流部は考古学的な調査も遅れており、民族学的な調査とともに、この地域のニブヒの居住形態や民族の成立過程を理解するためにも今後も研究を進めるべき地域であることを確認した。 民族誌時代の居住形態、あるいは当時の交易網を理解するために、当時の重要な交易場所であったことで知られている、清朝の出先機関のあったデレンの場所を具体的に特定するために、もっとも有力な候補地点と我々が考えている地点で踏査、試掘をおこなったが有力な証拠を得ることはできず断定することはできなかった。 次年度は、コンドル村などの民族考古学的研究を予定している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 佐々木 史郎: "近現代のアムール川下流域と樺太における民族識別の変遷"国立民族博物館研究報告. 26巻1号. 1-78 (2001)
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[Publications] 佐々木 史郎: "間宮林蔵が見た交易所「満州仮府」"季刊民族学. 98号. 22-23 (2001)
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[Publications] 佐々木 史郎: "リチャルド・K・マークがみたアムール川流域の人びと"季刊民族学. 98号. 26-27 (2001)
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[Publications] 佐々木 史郎: "山丹交易と海上・河川交通"歴史学研究. 765号. 33-45 (2001)