2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国・琉球列島間のタカラガイ需要・供給に関する実証的研究―新石器時代から漢代を対象に―
Project/Area Number |
13571038
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木下 尚子 熊本大学, 文学部, 教授 (70169910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒住 耐二 千葉県立中央博物館, 研究員 (80250140)
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
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Keywords | タカラガイ / マクラガイ / 新石器時代 / 商周代 / 流入ルート / 中国東南沿岸 / 殷墟 / 青海省 |
Research Abstract |
本年は、共同研究初年度であるため、研究体制をつくることと現地調査を開始すること、の2点に重点をおいた。報告書作成については、年度ごとに作業成果をまとめる方針をとった。 1.研究体制 (1)中国社会科学院考古研究所と4年間の共同研究協議書を策定、批准した。 (2)青海省文物考古研究所と1年間の共同研究協議書を策定、批准した。 (3)中華民国ならびに沖縄県の貝類学者に、貝類データにかんする協力を求め、承諾を得た。 2.調査経過 (1)中国河南省安陽工作所において殷墟出土貝類の調査を実施。(2001年8月28日〜9月1日) 中国側の貝類学者としてアモイ大学李復雪教授に参加を要請した。安陽工作所ならびに考古研究所において調査結果を報告ならびに総括、次年度の調査計画をたてる。 (2)青海省文物考古研究所、省博物館、青海湖博物館において出土タカラガイ等を見学、記録作製。 3.調査結果 (1)殷墟2期晩期の中型墓と、同4期の小型墓に伴う貝類を分析した。タカラガイ科29種約2100個を同定した。またマクラガイ科に数種あることを確認し、それ以外の海産貝数種類を同定した。 (2)青海省文物考古研究所所蔵の貝製品に、タカラガイ科2種、淡水貝、シャンクガイ製品の存在を確認。 (3)タカラガイ、これにともなう海産貝類の生息分布図作成を開始した。中国内陸への登場時期、種類の特定により、原産地や流入ルートを絞りこめる可能性は高いという見とおしを得ている。 (4)青海省での状況は、西方との関係を考慮する必要性を示す。これについてはさらに検討が必要。
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Research Products
(1 results)