2001 Fiscal Year Annual Research Report
多言語国家エチオピアにおける少数言語の記述,ならびに言語接触に関する研究
Project/Area Number |
13571039
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柘植 洋一 金沢大学, 文学部, 教授 (50092276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 秀行 山口大学, 人文学部, 助教授 (10241754)
小脇 光男 熊本大学, 留学生センター, 教授 (30136030)
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Keywords | オモ系言語 / クシ系言語 / 少数言語 / 言語接触 / エチオピア / 言語学 / ウォライッタ語 / アリ語 |
Research Abstract |
1.本年度は初年度として主に、南オモ系のアリ語の基礎的語彙の収集・記述、ならびに北オモ系のウオライッタ語の文法面に関わる調査を行った。これらの言語は研究代表者、分担者にこれまでの研究の蓄積がある言語であり、今年度の調査によって更にそのデータを多く収集することが出来た。(1)ウオライッタ語に関しては話者数からして少数言語と呼ぶことは出来ないが、北オモ系言語だけでなくオモ系言語全体の中で重要な地位を占める言語であるので研究対象とした。文法事項の研究を主として行い、それによって一層の精密な文法記述への道が開けた。(2)アリ語語彙に関しては北オモ系と語彙の面でもかなりの違いあることが明らかになった。またアリ語はこれまで形態・文法面での記述が極めて不十分にしかなされてきていないが、今年度の語彙収集の過程で得られたこれらの点に関わるデータを今後引き続いて分析する事により、その言語構造の解明を進めることが可能との見通しが得られた。(3)これらの研究と並んで、来年度以降に向けて今後更に多くのデータを収集するために、クシ系ならびにオモ系の言語のなかで新たな調査対象言語の選定を行った。 2.一方、もう一つの課題である言語接触に関する調査研究についてはエチオピアの現今の社会的・政治的状況から、こうした社会言語学的な調査を実施するには幾多の困難が予想されることが改めて明らかになった。来年度以降どのような計画を立てて実施するかが目下の課題である。
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