2001 Fiscal Year Annual Research Report
ジャカルタ南部の都市生成と住民組織原理の社会史に関する調査研究
Project/Area Number |
13572004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉沢 愛子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00203274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 耕 東海大学, 文学部, 助教授 (30269633)
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Keywords | 社会史 / ジャカルタ / オーラル・リサーチ / 市場 / 都市形成 / 組織原理 |
Research Abstract |
2001年8月〜9月およぴ2002年2月〜3月、それぞれ断続的に、ジャカルタ南部レンテンアグン地区において調査を行っている。この地域の歴史については文献で得られるものがきわめて少なく、オーラル・リサーチを主体とした調査が中心になっている。古老に対する地道な聞き取りを続けている。ポイントとしては、華人居住地が混在していたこともありエスニック構成の変遷などを中心に追っている。また、都市発展における市場の機能に着目し、レンテンアグン市場およびパサール・ミング市場の調査を行っている。市場の立地、商人の属性(エスニシティ、生活範囲、営業状況等々)などについて聞き取りを行っている。ジャカルタには当局が認めるだけで153の市場があり、それらひとつひとつの市場の性格についても分析し、ジャカルタの形成と市場の一般的関係の推移を明らかにしようと試みている。南部地域の特質を描出する準備段階としての作業である。住民組織原理については、歴史的な展開と合わせて現状についても分析しているが、地方自治法の施行もあって変化が著しく、それを追うことに相当な労力がかかってしまった。行政のシステムと社会集団のネットワーク原理のずれを明らかにすることをめざしている。その一環として住民の1週間の生活行動の調査を行い、現在データの分析中である。 他方、比較のためにジャワ農村においても同様の調査を行っている。ジョクジャカルタ特別州バントゥル県における調査をやはり2001年8月、9月、そして2002年3月と3回にわたって行った。2001年12月には村議会議員選挙が実施されるなど、こちらも変化が激しく、村内の権力関係の分析に追われた。また、ここでも市場の調査を行い、王宮との関係史をおさえている。
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Research Products
(1 results)