2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国の国有企業改革に関する調査研究―所有制・グループ化及び企業統治を中心に―
Project/Area Number |
13572020
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
座間 紘一 桜美林大学, 大学院・国際学研究科, 教授 (30034870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
任 云 桜美林大学, 国際教育センター, 講師 (00337891)
小松 出 桜美林大学, 経済学部, 教授 (10162041)
金山 権 桜美林大学, 経営政策学部, 教授 (40296405)
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Keywords | 中国経済 / 国有企業改革 / 企業の集団化 / 企業の株式化 / コーポレートガバナンス |
Research Abstract |
1,今年度調査に関する訪中は、(1)中国側研究者との現地調査の具体化のための打ち合わせ(座間)、(2)黒竜江省ハルビン市の中小企業調査(金山)、(3)北京市国有企業調査(日本側4人、中国側2人)の3回、聞き取り調査の主な対象は、資源独占型大型企業(首都鉄鋼公司、国家電力公司・中国華能集団公司)、IT関係産業(首鋼環星触膜電脳有限公司、聯想、首信集団)、重電企業(北京北開電気股〓有限公司)、消費財産業(燕京〓酒股〓有限公司、北京順〓農業〓有限公司)・サービス(北京飯店)`金融(中投信用担保有限公司)、政府機関(中関村科技園区管理委員会)、黒竜江中小企業6社及び関係政府機関であった。 2,得られた知見は以下の通りである。(1)企業集団(企業グループ)は日本の大企業集団に見られる株の持ち合いを中心とする企業グループとは違い、持株会社を頂点とする親-子-孫というピラミッド構成をなし、旧の企業から優良部門と不良部門を分離、別会社化し、それぞれを株式化すること、及び、外部より優良会社を買収、株式参加することによって形成されている。(2)株式化は旧の会社の優早部門と不良部門の分離、不良部門の切り離し、及び、優良企業の買収、株式参加によるによる経営の好循環化、企業経営の規範化、株主企業との関係の正常化に役立っている。(3)上場した株式会社の実態では現在依然としで圧倒的多数は国有株が占め、社会での流通株の占める割合は低く、株式は企業にとっては単なる資金調達手段であり、購入者にとっては投機、配当目当てを脱していない。(4)国家行政機関の資産管理会社化とその下での実業会社の関係では依然として行政的指導が強く、実業会社の主体的な経営との間で矛盾がある。消費財分野での国有企業の株式化と地方行政機関との間では株式企業の主体性が強く、行汝機関の経営への関与は見られない。(5)国有企業の株式化は当該企業が引き継ぐ資産(人、金、物)の大小、良否が市場化への出挙点で決定的意味を持つ。(6)国有企業の赤字脱却、産業構造調整での政府の優遇措置は個別企業にとっては差別的であり、かつ企業め盛衰にとって大きな意味を持つ。(7)競争的産業にとって経営者のイノベイティブな先見性が大きな役割をなし、様々なビジネスチャンスが広がっている。(8)中小企業にとっても株式化は資金調達と組織や経営の規範化にとって有益である。
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Research Products
(1 results)