2002 Fiscal Year Annual Research Report
ラバウルカルデラにおける浅部マグマ供給システムの解明
Project/Area Number |
13573002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 裕一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20208226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 武 東京工業大学, 火山流体研究センター, 助教授 (60203915)
中川 光弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50217684)
島村 英紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10011636)
野上 健治 東京工業大学, 火山流体研究センター, 助教授 (70251676)
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Keywords | ラバウル / カルデラ / 火山噴火予知 / 地球化学 / 津波 |
Research Abstract |
今年度の現地調査は2002年11月に約2週間,西村,大場,野上の3名がラバウルを訪れ,ラバウル火山観測所のスタッフと共同で実施した.今回は主に,1994年以来活発な噴火活動を続けているタブルブル火山,およびブルカン火山周辺において火山化学的な手法に基づく観測を実施した. タブルブル火山の噴火は,昨年度は収まっていたものの,今回の観測時には数分間隔で噴煙柱を吹き上げる活動を続けるなど,大変活発であった.そこで,周辺の温泉水の調査,噴気ガスの採取,地中からしみ出してくる炭酸ガスの測定等を実施した.さらに,噴火による新鮮な火山灰を採取し,火山灰に付着したガス成分の分析も実施した.サンプリングや現地における簡単な分析の手順は現地スタッフに伝授し,また必要な機材一式も貸し与えて,日本人研究者が帰国後もある程度の観測は継続できる体制を整えた.これは,火山の化学的なデータは,活動のパターンが変化することに対応して大きく変わることが期待され,長期的な繰り返し観測が特に必要なためである.実際,日本の火山では,噴火の沈積化や活発化に伴う変化が確認されており,こうした観測を継続することでラバウルの火山噴火予知に役立つ可能性も低くないと思われる. また,国内では,昨年度の現地調査で採取した津波堆積物の粒度分析を西村が,また火山噴出物の岩石学的分析を中川が推進した.結果の一部は,2002年5月にニュージーランドで開催された西太平洋地球物理国際会議の場で発表された.ラバウル噴火津波の特徴と今年度の観測で得られた地球化学的な知見については,2003年5月の国内合同学会,および2003年7月のIUGG国際学会においても公表される予定である.
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Research Products
(1 results)