2003 Fiscal Year Annual Research Report
1999年台湾集集地震による社会基盤施設の被害要因分析と国際比較
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13574001
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 利器 京都大学, 防災研究所, 助手 (60301248)
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
岩田 知孝 京都大学, 防災研究所, 助手 (80211762)
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Keywords | 震源近傍 / 位相のモデル化 / 地震動シュミレーション / 断層変位 / 非定常過程 / 群遅延時間 / 設計用地震動 |
Research Abstract |
台湾は、地形的にも日本と類似点が多く、また過去にも地震被害を数多く経験してきている世界でも有数の地震国である。このことから、活断層の調査や強震計の配置密度、さらには構造物に対する耐震設計の高度化などにおいても、世界でもトップクラスに近い水準を有している。にもかかわらず、1999年の集集地震では広範囲にわたる甚大な被害が報告されている。本研究では、集集地震被害の全容を現地調査するとともに、ほぼ同じような地震危険度の地域に発生したと考えられる1994年米国ノースリッジ地震、1995年兵庫県南部地震、1999年トルココジャエリ地震の被害発生過程についても詳細な調査を行う。その結果を相互比較することにより、将来発生すると予測されている東海地震や首都圏直下地震による地震防災対策に貢献することを目的としている。具体的には以下の3項目について研究を実施した。 (1)活断層と発震機構 (2)地盤震動の分布 (3)各種構造物の破壊とその機能低下 15年度に得られた成果は以下のようである。 1)地震動の生成・伝播・増幅メカニズムの解明:アジア・太平洋地域における地震危険度の外力を把握するために、対象エリアの緯度経度を1度ずつに区切り・メッシュの格子点およびエリア内での主要都市に対しハザード曲線を求めるとともに、1999年集集地震の最大加速度の空間分布を求めた。さらに、新しい地震動の内挿法を開発し、集集地震の観測記録を用いて、未観測点での地震動を推定した。 2)地盤震動分布 1999年トルココジャエリ地震時にアダパザルの市街地での構造物被害と地盤振動の関連性を明らかにする目的で、アダパザル盆地の地盤構造が地震動分布特性に及ぼす影響を評価した。アダパザル盆地の基盤構造を物理探査記録から作成し、有限差分法を用いた今日振動シミュレーションを実施してアダパザルの市街地で生じた強震動を再現した。 3)社会基盤システムの地震時性能規範の提示とその方法論の確率:社会基盤システムの中で、ガス供給システムを対象として、新しい地震信頼性の評価法を開発した。開発した方法論を用いて、以下の提案を行なった。 (1)地震防災におけるライフラインの戦略的強化の基準を与える方法の提案。 (2)都市生活の要請から来るライフライン機能停止期間の許容限度値の定量的な規範の提示。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Yang, S.Savidis, T.Sato, X.S.Li: "Influence of Vertical Acceleration on Soil Liquefaction : New Findings and Implications"Proceedings of the Soil and Rock America 2003,12th Panamerican Conference on Soil Mechanics and Geotechnical Engineering. Vol.1. 963-968 (2003)
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[Publications] T.Sato, Y.Murono, M.Murakami: "Modeling of Phase Spectra For Simulation of Near-Fault Design Earthquake"Systems, Technical Council on Lifeline Earthquake Engineering Monograph No.25. No.25. 769-778 (2003)
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[Publications] Masayki Kohiyama, Norihiko Yamashita, Tadanobu Sato, Lu Hengjian, Norio Maki, Satoshi Tanaka: "Expansion of the Nishinomiya Built Environment Database-Simulation of seismic ground motion distribution and correlation with damage in the 1995 Hyogo-ken Nanbu Earthquake"Natural Hazards. No.29. 501-552 (2003)
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[Publications] Yuan Di, Tadanobu Sato: "Arbitrary Lagrangian-Eulerian Formulation for Large Deformation Analysis of Saturated Soils"Proceedings of The 11th International Conference on Soil Dynamics & Earthquake Engineering/The 3rd International Conference on Earthquake Geotechinial Engineering. Vol.1. 110-117 (2004)
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[Publications] X.Tang, T.Sato: "H-adaptivity applied to Liquefiable Soil in Nonlinear Analysis of Soil-Pile Interaction"Proceedings of The 11th International Conference on Soil Dynamics & Earthquake Engineering/The 3rd International Conference on Earthquake Geotechinial Engineering. Vol.1. 760-767 (2004)
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[Publications] S.Miwa, T.Sato: "Damage Process of Pile Foundation in Liquefied Ground During Strong Ground Motion"Proceedings of The 11th International Conference on Soil Dynamics & Earthquake Engineering/The 3rd International Conference on Earthquake Geotechinial Engineering. Vol.1. 776-783 (2004)