2002 Fiscal Year Annual Research Report
台湾地震断層地表変位に関わる都市ライフラインの脆弱性調査と被災軽減法に関する研究
Project/Area Number |
13574002
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高田 至朗 神戸大学, 工学部, 教授 (40027280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 泰雄 神戸大学, 大学院・都市安全研究センター, 教授 (40144597)
川上 英二 埼玉大学, 工学部, 教授 (50125887)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
宮島 昌克 金沢大学, 工学部, 教授 (70143881)
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Keywords | 断層 / 管路 / 地震動位相 / 断層変位実験 / 最大加速度比 / 数値地盤情報 / シェル解析 / 地震対策 |
Research Abstract |
本研究では、まず神戸市街地域のボーリングデータを用いて、3次元表現が可能な数値地盤構造の構築と地盤特性の同定を行い、構築された3次元地盤モデルについて、得られた地盤特性を基に兵庫県南部地震の条件で地震動解析を行った。 次いで、運動学的断層モデルとしてHaskellモデルを用いて波形合成解析を行った。今回はとくに活断層近傍域における地震動一挙動の評価手法とその検討を目標としている。 また、観測波形データを用いて、断層近傍地震動の位相特性のモデル化を行った。このモデルでは、断層の面的な効果、とくに断層破壊の指向性を合理的に取り入れることを主な目的としたものである。 さらに、震源域の16記録を用いて、同一地震における二つの観測点の最大加速度の比を二点間の距離をパラメータとして求めた。最大加速度比の(対数)標準偏差は、比を求める二点間の距離の対数に対してほぼ直線的に増加することなどを示した。 一方、断層運動に伴う地表面の形状を表層地盤特性との関係で明らかにするために、表層地盤特性が断層変位の出現位置や地表面の形状に影響を与えているものと考え、模型実験を行った。ここでは、表層地盤特性としての表層地盤の層厚、地盤の硬さ、粒度組成に注目している。 また、コジャエリ地震と台湾地震の際に、断層を横断していた大口径水道管が被災したが、その状況をシミュレートしている。本解析では断層線近傍の地盤条件を変化しうる3次元FEMシェル解析を用いている。3次元シェルモデルを用いると、はりモデルよりも精度よく管路破壊挙動をシミュレートできることが知られた。 上述の結果を受けて、断層横断管路の耐震設計法を確立するために、断層変位をうける管路の非線形応答解析を実施して、結果を説明しうる簡易式を誘導した。シェル要素FEM解析を用いてパラメトリック解析を行っている。断層と管路の交差角に応じて誘導された設計簡易式と、他の手法による結果を比較している。 最後に、断層を横断する管路の地震対策の現状を紹介すると共に、簡易設計式を用いたパラメトリック計算結果にもとづいて、有効な地震対策について述べている。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 高田至郎, 鈴木崇伸, 小池武, 小川安雄, 松本真明: "液状化による側方流動を受ける埋設綱管の塑性ヒンジ解析"土木学会論文集. No.710/1-60. 79-90 (2002)
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[Publications] Shiro Takada, Emi Ichinose, B.J.Shin, W.W.Chen, Radan Ivanov: "Seismic Intesity in the Vicinity of a Surface Fault Rupture"Proceedings of the Second JAPAN-TAIWAN Workshop on Lifeline Performance and Disaster mitigation. 99-106 (2002)
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[Publications] Shiro Takada, Shin Katagiri: "A Method for Evaluating the Anti-Seismic Performance of Buried Pipilines Taking Into Account the Effect of Dynamic Fracture in Non-Uniform Ground"Proceedings of the Fourth China-JAPAN-USA Trilateral Symposium on Lifeline Earthqouake Enginnering. 99-106 (2002)
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[Publications] 佐藤忠信, 文龍, 渦岡良介: "砂の榴弾塑性構成式による液状化・流動過程の統一的解析"土木学会論文集. No.I-61 Vol.717. 53-64 (2002)
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[Publications] 佐藤忠信, 文龍, 渦岡良介: "傾斜地盤の液状化・流動過程のシュミレーション"土木学会論文集. No.722 Vol.III-61. 109-119 (2002)
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[Publications] Tadanobu Sato, Yoshitaka Murono, Hai-Bo Wang, Akihiko Nishimura: "Design Spectra and Phase spectrum Modeling to Simulate Design earthquake motions : A Case study through Design Standards of Railway Facilities in Japan"Jornal of Natural Disaster Science. Vol.23,No.2. 89-100 (2001)
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[Publications] 佐藤忠信, 室野剛隆, 川西智浩: "位相特性に着目した観測地震動の内挿・集集地震(1999)の観測記録を用いて"土木学会論文集. No.710 Vol.I-60. 225-234 (2002)
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[Publications] 川上 英二, 茂木 秀則: "高密度アレー観測記録に基づく応答スペクトル比の確率分布"日本建築学会構造系論文集. Vol.551. 37-44 (2002)
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[Publications] 茂木 秀則, 川上 英二: "高密度アレー観測記録に基づく整形地盤上の二地点間の計測震度差の統計解析"地震第2輯. Vol.55. 167-180 (2002)
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[Publications] Kawakami, H., Mogi, H.: "Analyzing spatial intra-event variability of peak ground accelerations as a function of separation distance"Bull. Seism. Soc. Am.. (印刷中). (2003)
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[Publications] Yasuo Tanaka, 他3名: "ON THE FORCES EXERTED ON BURIED PIPE IN LIQUEFIED GROUND"Proc. ISOPE 2001. Vol.2. 160-165 (2001)
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[Publications] Tanaka, Y.: "USE OF GEOTECHNICAL INFORMATION SYSTEM FOR ESTIMATION OF LIQUEFACTION DAMAGES TO BURIED PIPELINES"Fourth China-Japan-USA Trilateral Symposium on Lifeline Earthquake Engineering. 221-228 (2002)
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[Publications] 宮島昌克: "伏在断層を横切るパイプラインの耐震対策"水道公論. No.9, Vol.38. 28-30 (2002)
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[Publications] 武澤永純, 宮島昌克: "断層運動による地表面変状と表層地盤特性との関係に関する模型実験"土木学会中部平成14年度研究発表会講演概要集. 321-322 (2003)
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[Publications] 吉藤祐也, 宮島昌克: "断層変位に伴う地中埋設管の挙動に関する模型実験"土木学会中部支部平成14年度研究発表会講演概要集. 323-324 (2003)
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[Publications] Miyajima, M.: "Experiments on Large Ground Displacements and Pipe Behavior Induced by Fault Movements"Proc. of 2nd Japan-Taiwan Workshop on Lifeline Earthquake Engineering. 24-29 (2002)