2002 Fiscal Year Annual Research Report
メコン流域の最適水行政支援システムのための分布型水循環モデルの活用と現地総合調査
Project/Area Number |
13574004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 公郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40222343)
虫明 功臣 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
竹内 邦良 山梨大学, 工学部, 教授 (50016672)
VENKATESH RAGHAVAN 大阪市立大学, 学術情報総合センター, 助教授 (30291602)
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Keywords | メコン川流域 / 最適水行政支援システム / 分布型水循環モデル / 水資源計画 |
Research Abstract |
本年度は、洪水モデルシミュレーションを行うためのデータの集積および分布型水文モデルの開発を進めた。 モデルシミュレーションを行う対象流域は中国国境のKratieまでとし、まずDEMを用いて対象流域の標高データセットを作成した。DEMはGTOPO30、Hydro1kおよび全球地図データセットとの比較を行うことによって必要な調整をした。次に、タイ国のYom川流域において、洪水浸水域図の作成に必要な分布型水文モデルの空間解像度の評価を行った。50mから500mの範囲で異なる空間解像度の洪水浸水域図を作成した結果、都市域の洪水モデルを適切に表現するのに最小限必要なモデル格子の空間解像度は100mであることが判明した。 また、メコン川流域委員会(Mekong River Commission)及び流域周辺の国からメコン川の水文気象データを収集した。データ精度のチェックと、観測所の位置とモデルグリッドとの整合性を評価した結果、集めたデータのうち流域観測データ90地点と雨量計観測データ99地点がモデルシミュレーションに使用可能であると判断された。 一方、インパクトアセスメントを行うために、水需要、水利用及び水政策に関する情報を集積し、AIT(Asian Institute of Technology)レポートとしてまとめた。その過程において、水インフラストラクチャに使用されているデータの不正確さ、人為排水などが洪水予測を困難にさせる原因となっていることが明らかになった。本プロジェクトでは現地のデータを効率的に集めるため、電子メールを基にしたデータ集積システムの開発を行っており、そのシステムで集積された新しいデータを分布型水文モデルに導入することにより、従来の算定結果に顕著な差が生じることが判明してきている。このように、なるべく現地の水利用等の状況を反映したモデルシミュレーションを行うことにより、より正確な洪水シミュレーションが行えるようになってきた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Dutta, D., S.Herath: "Modeling of Flood Inundation and Effect of DEM on Model Outputs"Proceedings of the International Conference on Flood Estimation, International Commission for the Hydrology of the Rhine River, Berne, Switzerland. 93-99 (2002)
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[Publications] Herath, S., R.Jha, D.Dutta: "Flood Forecasting Experiences in Asian River Basins"Proceedings of the International Conference on Flood Estimation, International Commission for the Hydrology of the Rhine River, Berne, Switzerland. 113-121 (2002)
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[Publications] Dutta, D., S.Herath: "GIS based Mathematical Model for Flood Disaster Response"US-Japan 2^<nd> Workshop on Comparative Study on Urban Disaster Management, Port Island, Kobe, Japan, February. (2002)
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[Publications] Herath S., Musiake K., Habib-Ur-Rehman: "A Process Based Approach to Model Soil erosion and Sediment Transport at"Proc. GIS IDEAS 2002, Viet Nam. 170-176 (2002)
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[Publications] S.Herath, Pathirana, A.: "Multifractal Modeling and Simulation of Rain Fields Exhibiting Spatial Heterogeneity"Hydrology and Earth System Sciences. Vol.6,no.4. 698-708 (2002)
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[Publications] Musiake, K: "Hydrology and Water Resources in Monsoon Asia-A-Consideration of Necessity to Organize "Asian Association of Hydrology and Water Resources""Journal of JSHWR. Vol.15,No.4. 428-433 (2002)