2003 Fiscal Year Annual Research Report
ベネズエラにおける土砂災害および現地適合型災害対策に関する研究
Project/Area Number |
13574006
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
江頭 進治 立命館大学, 理工学部, 教授 (00027286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中北 英一 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70183506)
中川 一 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144393)
水山 高久 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00229717)
伊藤 隆郭 立命館大学, 理工学部, 講師 (80334035)
清水 義彦 群馬大学, 工学部, 助教授 (70178995)
|
Keywords | 異常気象 / 洪水 / 土砂災害 / 土砂流出 / 土石流 / 土石流扇状地 / 扇状地災害対策 |
Research Abstract |
本年度は科学研究費交付の最終年度であり、次の課題、1.カリブ海沿岸域における集中豪雨とその気候的特性、2.土砂流出現象の復元および災害後の降雨・土砂流出特性、3.土砂災害の歴史と社会的背景、および4.現地適合型災害対策について、現地調査、資料解析、若干の水路実験、数値解析的手法を駆使しながらこれらを推進し、以下のような成果が得られた。 課題1については、異常降雨をもたらした降雨の時空間規模に関する各スケール間の相互作用を明らかにした後、異常な降雨とは何かを一般化するための指標とそのグローバル解析法を提案した。2については、土砂災害後における降雨・土砂流出に関する現地観測・調査を継続するとともに、これらの成果をこれまでに蓄積されてきた数学モデルに適用し、これまでに開発されてきたモデルの改良を図った。これにより、土石流の一次元および2次元解析法の内容と適用性が格段に進展した。同時に、音響による土砂流出観測装置を考案し、現地実験によってその機能を検討している。課題3および4については、一つの異常気象が大災害に繋がらないようにするためには、都市形成や都市の再形成の段階において、土石流をはじめとする自然現象の驚異に対する啓発やハザードマップあるいはそれに代わる土地利用の伝承が必要であることを述べ、ハザードマップの作成法とその利用に関する基本的事項を明らかにした。同時に、現地材料と現地施工を対象としたハード対策およびその機能評価法を提案している。以上、当該分野の研究進展に寄与するいくつかの成果は得られたものの、今後に解明すべき重要な課題も残されている。
|
Research Products
(10 results)
-
[Publications] Takahiro Itoh, Kuniaki Miyamoto, Shinji Egashira: "Numerical simulation of debris flow over erodible bed"Proceedings of the 3rd International Conference on Debris-Flow Hazards Mitigation. 457-468 (2003)
-
[Publications] Shinji Egashira, Takahiro Itoh, Kuniaki Miyamoto: "Debris flow simulations for San Julian torrents in Venezuela"Proceedings of the 3rd IAHR Symposium on River, Coastal and Estuarine Morphodynamics RCEM.2003. 976-986 (2003)
-
[Publications] Shinji Egashira, Hiroji Nakagawa, Takahiro Itoh, Rabindra Osti: "Theoretical tools for analyzing sediment countermeasures"Proceedings of the International Civil Engineering Conference on Sustainable Development in the 21st Century, Nairobi, Kenya, 12・16 August. 425-436 (2003)
-
[Publications] 伊藤隆郭, 江頭進治: "土石流の流出土砂量に及ぼす形状係数の重要性"水工学論文集. 48巻(2). 895-900 (2004)
-
[Publications] Rabindra Osti, Shinji Egashira, Takahiro Itoh: "Prediction of 1999-San Julian debris flows based on dependent and independent occurrences"水工学論文集. 48巻(2). 913-918 (2004)
-
[Publications] 清水義彦, 若井明彦, 長田健吾: "個別要素法と流れの数値計算を組み合わせた高濃度平衡流場の数値実験"水工学論文集. 47巻. 913-918 (2003)
-
[Publications] Takahisa Mizuyama, Masaharu Fujita, Michinobu Nonaka: "Measurement of bed load with the use of hydrophones in mountain torrents"Proceedings of the Oslo Workshop, June 2002, IAHS Publ.. 283. 222-227 (2003)
-
[Publications] H.Nakagawa, T.Takahashi, Y.Satofuka K.Kawaike: "Numerical simulation of sediment disasters caused by heavy rainfall in Camuri Grande basin, Venezuela 1999"Proceedings of the 3rd International Conference on Debris-Flow Hazards Mitigation. 671-682 (2003)
-
[Publications] 中川 一, 戸田圭一, 牛山素行, 武藤裕則, 戸床文彦: "2001年7月台湾で発生した豪雨の特徴と土砂災害"水工学論文集. 47巻. 913-918 (2003)
-
[Publications] Motoyuki Ushiyama, Keiichi Toda, Hajime Nakagawa: "Characteristics of the heavy rainfall disaster in central Taiwan, July 29 to 30, 2001"Journal of Natural Science. Vol.25, No.1. 1-6 (2003)