2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13575003
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
玉手 英利 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (90163675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英勝 石巻専修大学, 理工学部, 助手 (80306068)
柴田 清孝 石巻専修大学, 理工学部, 講師 (20244973)
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Keywords | 野生動物 / 遺伝的多様性 / 遺伝子分析 / 絶滅危惧種 |
Research Abstract |
目的:本研究では、中国に生息するトキの遺伝的多様性の現状を明らかにして、近交弱勢を回避する交配システムを確立することを目標とした。平成14年度はサンプル採集とミトコンドリアマーカーを用いた集団内の遺伝的変異の検出をおこなった。 結果と考察:前年度の取り決めにもとづいて、中国側研究者によりトキ保護区での現地調査とサンブル採集が行われた。次に中国科学院北京動物学研究所においてDNA抽出と遺伝子増幅をおこなった。更に、中国側研究者が来日して、遺伝子分析作業を共同で実施した。前年度はミトコンドリアDNAの全体を増幅することができなかったが、今回は新たなブライマーを設計して、Long PCR法による遺伝子増幅を試みたところ、ほぼ全体にわたる約16000塩基長の増幅産物がえられた。また、ミトコンドリアDNAを4つの部分にわけてPCRをおこない、それぞれの領域から遺伝子産物を得た。えられたPCR産物はプラスミドベクターを用いて、クローニングした。えられたPCR産物を制限酵素で切断して、個体ごとの制限酵素断片長多型(RFLP)の有無を検討した.その結果、数種類の6塩基認識制限酵素を用いた場合に、RFLPが検出された。また、Amplified Fragment Length Polymorphism (AFLP)を適用したところ、EcoRl断片での個体特異的バンドが検出された。以上から、洋県保護区におけるトキ集団では、ミトコンドリア遺伝子と核遺伝子のいずれにおいても、集団内変異が未だに維持されていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] LiMing, Ding chang-Qing, Wei Fu-Wen, Hidetoshi B Tamate: "Molecular phylogeny of crested ibis, Nipponia nippon, inferred from mitochondrial cytochrome-b gene sequence"Acta Zootaxonomica Sinica. 28・1. 1-4 (2003)