2003 Fiscal Year Annual Research Report
樹上性巻貝の左右二型現象と鏡像集団の進化生物学的研究
Project/Area Number |
13575005
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浅見 崇比呂 信州大学, 理学部, 助教授 (10222598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 一佳 筑波大学, 大学院・地球科学系, 助教授 (80251411)
青塚 正志 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40106604)
吉村 仁 静岡大学, 工学部, 教授 (10291957)
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Keywords | 左右極性 / 螺旋卵割 / 形態形成 / 左右二型 / 巻貝 / カタツムリ / 雌雄同体 / タイ |
Research Abstract |
集団内の左右二型を積極的に維持するメカニズムになりうる交尾行動を記録することに成功した。交尾する2個体が向き合って両者が同時に雌雄二役の交尾を行う様式では、一般には,左巻と右巻の交尾は物理的にほぼ不可能であると分かっている。驚くべきことに、本研究材料の左右二型種群はこの様式で交尾することが、自然集団での野外観察および実験条件でのピデオ撮影により判明した。 野外での写真記録、および実験室でのビデオ記録によるかぎり,互いに左右極性が反対の固体が交尾するにあたり、通常なら物理的に困難なはずの同時正逆の交尾が試行せずに容易に行われていることは明らかである。問題は、この交尾がなぜ可能なのか、そこにある。交尾行動それ自体には,現在の段階では,特に大きな特徴が見つかっていない。むしろ、交尾器の形態と機能に、相手の左右極性にかかわらず交尾を可能にする特徴があるとかんがえられる。 分子系統解析の結果は、もともと右巻きのみの祖先から本属が進化した後、左右二型の祖先種が出現し、左右二型を維持したまま放散進化したため、左右二型種群が単系統であることをしめしている。これは、ある特定の形質が.進化しさえすれば左右二型集団が系統的に安定して維持されることを示している。したがって、左右二型現象は、積極的に維持される現象であることが間接的に指示されたことになる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ueshima, R., Asami, T.: "Single gene speciation by left-right reversal"Nature. 425. 679 (2003)
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[Publications] Endo, K.at al.: "Lymnaea stagnalis as a Model Organism for Studies of Calcium Carbonate Biomineralization"Biomineralization : formation, diversity, evolution and application. Tokai University Press. 172-177 (2003)
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[Publications] Yoshimura, J.et al.: "Population dynamics of some mutualistic relationships"Proceedings of MODSIM 2003. 2. 730-735 (2003)
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[Publications] 浅見崇比呂, 上島 励: "鏡像遺伝子による新種の進化"細胞工学. 23. 338-339 (2004)