Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 陽 金沢大学, 薬学部, 助手 (50313680)
細井 信造 金沢大学, 薬学部, 助手 (60209236)
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 教授 (40115267)
大場 秀章 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20004450)
麻田 佳江 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (40324090)
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Research Abstract |
○6月14日に金沢において今年度海外派遣された全員が参加して調査準備のための班会議を行ない,現地調査には中国四川省(御影,高橋,奥津(研究協力者))とネパール(大場,天野,能城)へ各1隊を派遣した. ○中国調査隊は7月20日から8月21日迄,ジープを借り上げて四川省で現地調査を行ない,目的とするマオウ属植物5分類群80株を18地点で採取し,採集地の緯度経度,標高等を記録するとともに,生育地の土壌水素イオン濃度を測定した.また,必要に応じてDNA解析用の資料を蒐集した.調査の結果,四川省は起伏が多く自然の変化に富むためマオウ属の種類は他の省に比して多いが,資源量としては少ないことが明らかになった.また同省の本属植物の中で薬用資源として優れているのは,Ephedra likiangensis 麗江麻黄であろうことが明らかになった.次いでE. gerardiana var. congestaとされるものが地上部がやや大型で薬用資源として有望であるが,資源的には少ないことがわかった.また,植物分類学的に本種はE. gerardianaの変種とされているが,基部が著しく木質化して立ち上がり,ネパール産の基準変種とはかなり異なるなど,他の分類群をも含めて,四川省産の本属植物については分類学的な再考が必要であることが明らかになった. ○ネパール調査隊は7月20日〜8月28日迄現地に赴き,西ネパールのムスタン地区で調査し,同様にマオウ属植物2分類群113株を採取した. ○帰国後,全標本を整理し,重複標本を共同研究する北京大学葯学院,ネパール政府が管理する標本庫等へ寄贈した.蒐集した資料を用いて,すでに植物分類学的,組織分類学的研究に着手し,また現在アルカロイド含量を分析中である.また,育種学的研究を目的に持ち帰った種子を播種し,これまでに8割程度が発芽している.また,代表者の御影は10月に別途北京へ出張した機会に,中国科学院植物研究所の所蔵標本を調査し,今後の調査地設定を目的に中国国内におけるマオウ属植物の主な産地を記録した.
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