2002 Fiscal Year Annual Research Report
急激な水循環異変が懸稔される東アジア巨大湖の生態・環境動態に関する緊急学術調査
Project/Area Number |
13575034
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永田 俊 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 道夫 滋賀県琵琶湖研究所, 総括研究員 (40234512)
山村 則男 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (70124815)
川端 善一郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80108456)
早川 和秀 滋賀県琵琶湖研究所, 研究員 (80291178)
焦 春萌 滋賀県琵琶湖研究所, 研究員 (70280815)
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Keywords | 大型湖沼 / 東アジア / フブスグル湖 / 撫仙湖 / バイカル湖 / 琵琶湖 / 微生物 / 溶存酸素 |
Research Abstract |
本海外学術研究は、気候変化に伴い、急激な水循環異変が懸念される東アジアの大型湖沼において、湖沼学的な基礎調査を緊急に行い、水資源として重要な役割を果たすこれらの淡水湖沼の陸水学的特性を明らかにすることを目的とした。今年度は、モンゴル・フブスグル湖および中国雲南省の撫仙湖において、各1回の現地調査を実施したほか、現地研究者を招聘し情報交換を行った。ロシア・バイカル湖については、研究代表者らが行ってきた先行研究の現地調査結果の解析と文献調査を進めた。以上の結果をわが国の琵琶湖において実施している陸水調査結果と比較、総合化することによって、当該地域の大型湖沼の環境保全・資源管理に向けての重要な基礎データを得ることができた。主な成果は以下のようにまとめられる。 1.フブスグル湖における水温構造と生物・化学パラメータの分布につ一いて調査を行った結果、深水層にクロロフィル極大があらわれる典型的な貧栄養型であることが明らかになった。 2.撫仙湖における冬季の調査の結果、とくに微生物群集組成の解析をすすめた。その結果、深水層において古細菌群集が存在するという新しい知見を得た。 3.バイカル湖における微生物の鉛直分布を解析した結果、南湖盆中央部では、近年、概要域で報告されている鉛直プロファイルに近いパターンが見られるが、河川流入域(セレンガ河口域)では大きなアノマリーがみられ、活発な物質輸送が示唆された。 4.中国側の研究者との情報交換により、結果の総合化を進めた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshida, T., Sekino, T., Nagata, T.et al.: "Seasonal dynamics of primary production in the pelagic zone of southern Lake Baikal"Limnology. 4(1)(In press). (2003)
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[Publications] Hayakawa, K., Kumagai, M.et al.: "Dissolved organic carbon and fluorescence in Lake Hovsgol : Factors reducing humic content in lake water"Limnology. 4(1)(In press). (2003)
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[Publications] Hayakawa, K., Sakamoto, M., Murase, J.et al.: "Distribution and dynamics of organic carbon in Lake Fuxian"Yunnan Geographic Environment Re search. 14. 34-40 (2002)
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[Publications] 永田 俊: "海洋における「溶存有機物-微生物連鎖系」研究の新しい展開"日本プランクトン学会報. 49(1). 15-20 (2002)
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[Publications] 永田 俊: "第6章 ミクロ生態系への招待-水のなかに生きる小さな生命たちの働きと多様性。 In:生物多様性科学のすすめ(大串隆之編)"丸善. 110-135 (2003)