2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13575036
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
下条 信弘 筑波大学, 社会医学系, 教授 (00080622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 浩幸 東海大学, 環境保健, 講師 (40102850)
吉田 貴彦 旭川医科大学, 衛生学, 教授 (90200998)
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 予防医学, 助教授 (90081661)
石井 祐次 筑波大学, 社会医学系, 講師 (90253468)
熊谷 嘉人 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (00250100)
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Keywords | 慢性中毒 / 砒素 / 介入研究 |
Research Abstract |
予備調査は平成13年5月末に約1週間おこなった。当該衛生局との打ち合わせ、宿舎および機材運搬のための車の確保、調査に必要な液体窒素等の供給先の確認、調査対象者の母集団の確認、各家庭が飲水に使用している井戸水の採取、臨床所見および生体サンプル採取に必要な検査場所等を行った。井戸水中砒素濃度を測定した結果、0.05〜1.79mg/Lであり、殆どが中国の環境基準値を上回る砒素濃度であった。 本調査は平成13年9月末に約1週間おこなった。対象は男性66名(37±15歳)、女性64名(35±14歳)。対象者の血液中無機砒素およびそのメチル代謝物濃度は、それぞれ2.62±1.61μg/L(無機砒素)、2.81±3.57μg/L(モノメチル砒素)および2.76±3.75μg/L(ジメチル砒素)であった。対象者の尿中無機砒素およびそのメチル代謝物濃度は、それぞれ33.3±43.9μg/g of cr(無機砒素)、29.0±43.3μg/g of cr(モノメチル砒素)および142.0±177.0μg/L(ジメチル砒素)であった。対象者の毛髪中無機砒素およびそのメチル代謝物濃度は、それぞれ2.07±2.19μg/L(無機砒素)および0.09±0.04μg/L(ジメチル砒素)であった。対象者の中で男性に典型的な皮膚の角化症、色素沈着、色素脱失等が認められた。慢性砒素曝露による酸化ストレスのマーカーである血漿中タンパク質の酸化を調べたが、何れのサンプルにおいても全く認められなかった。
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