2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13575038
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
櫻井 克年 高知大学, 農学部, 教授 (90192088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 壮太 高知大学, 農学部, 助手 (10304669)
原田 光 愛媛大学, 農学部, 教授 (40150396)
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (80172732)
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Keywords | 熱帯生態系の修復 / 光合成 / 呼吸速度 / 土壌環境 / 枯死率 / 成長率 / DNABank / 遺伝的変異 |
Research Abstract |
ニア造林試験地において、植栽された7樹種を選び、光合成速度、呼吸速度、葉厚、SPAD値などを測定し、草原、二次林、残存林という異なる植栽環境下でどのような種特性を示すか比較検討した。各樹種とも、明るい植栽環境下で、飽和光合成速度の増加、葉厚の増加、SPAD値の減少という共通の順応を示した。しかし、光合成効率(光合成速度/呼吸速度)は、明るい環境下で高くなる種と、逆に暗い環境下で高くなる種があった。 草原、二次林(マカランガ優先林)、残存林における植物の成育調査および土壌環境調査を行った。交換性塩基、EC、pHは、二次林において低い傾向にあった。土壌中の養分が、先駆種であるマカランガによって吸収されたためと考えられた。相対照度は、残存林<二次林<<草原の順であった。草原での植林木の枯死率は6割前後に上り、直射日光が当たること、そのため土壌が乾燥しやすいこと、つるを含む雑草の生育が旺盛で苗木を枯らすこと、などが原因と考えられた。直径成長率は残存林で低く、照度が低いことが原因と考えられた。目的変数を直径、樹高の成長率、枯死率とし、説明変数に照度と土壌の理化学性を用いて、重回帰分析を行った。その結果、初期の活着からその後の生育に至るまで、成長率には照度と土壌硬度、枯死率には照度の影響が大きいことが分かった。 熱帯林有用樹木の遺伝子-DNAバンクの構築を目的として、サラワク森林局の協力の下でフタバガキ科樹木を中心とする葉のサンプル採集とDNAストック作成を行った。ランビル国立公園の52haプロットでは2つの1haサブプロットを作り、優占する上位10種の直径1cm以上の樹木のすべてのサンブルを採集した。同様にクバ、スミラジャウの自然林、およびセメンゴ、バカムの人工造林地における樹木サンプルの採集を行い、総計約5000のサンプルを得た。これらについて、現在250サンプルからのDNA抽出を完了した。これらを日本に持ち帰って遺伝的変異の解析を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Okaura, T., Harada, K.: "Physiogeographical structure revealled by chloroplast DNA variation in Japanese Beech (Fagus crenata Blume)"Heredity. 89(in press). (2002)
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[Publications] Harada, K., Azechi, T.: "A study of genetic variation using AFLP technique in populations of Kandelia candel in Ryukyu Islands and Southern Japan"In "In situ and ex situ conservation of commercial tropical trees" (eds. Thielges, Sastrapradja and Rimbawanto), ITTO. 327-332 (2001)
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[Publications] Ichie, T., Ninomiya, I., Ogino, K.: "Utilization of seed reserves during germination and early seedling growth of Dryobalanops lanceolata(Dipterocarpaceae)"Journal of Tropical Ecology. 17. 371-378 (2001)
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[Publications] Kohira, M., Ninomiya, I., Ahmed, Z.I., Abdul, L.: "Diversity, diameter structure, and spatial pattern of trees in a semi-evergreen rain forest on Langkawi island, Malaysia"Journal of Tropical Forest Science. 13(3). 460-476 (2001)
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[Publications] SAHA, U.K., Sakurai, K.: "Simultaneous adsorption of cadmium, zinc, and lead on hydroxyaluminum-and hydroxyaluminosilicate-montmorillonite complex"Soil Science Society of American Journal. 66(1). 117-128 (2002)