2001 Fiscal Year Annual Research Report
流行地で分離した熱帯熱マラリア原虫の赤血球結合蛋白発現レベルの解析
Project/Area Number |
13576007
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鳥居 本美 愛媛大学, 医学部, 教授 (20164072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 真由美 愛媛大学, 医学部, 教務職員 (00301325)
金子 修 愛媛大学, 医学部, 助手 (50325370)
坪井 敬文 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00188616)
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Keywords | マラリア / 感染症 / 微生物 / 熱帯病 / 遺伝子 / 赤血球 / 寄生虫 / 侵入 |
Research Abstract |
マラリア流行地ではマラリアの選択圧によって原虫の侵入標的となるヒト赤血球表面蛋白の多型が存在するが、これに対応して熱帯熱マラリア原虫は複数の赤血球結合蛋白を発現調節して、宿主の抵抗を回避していると考えられる。したがって、流行地において熱帯熱マラリア原虫分離株の赤血球結合蛋白がどのように発現されているかを調査することは、マラリアの感染の分子機序の解明のみならず、今後のワクチン開発を行う上でも重要な課題である。本研究は、流行地の熱帯熱マラリア患者の血液を採取し、これを用いて熱帯熱マラリア原虫の赤血球結合蛋白の発現様式をmRNAおよび蛋白のレベルで解析することを目的として実施する。 本年度は、世界各地の患者由来の実験室培養株を用いて赤血球結合蛋白の発現様式に株間で差異があるか否かを検討した。先ず、RT-PCR法による赤血球結合蛋白の転写レベルの測定系の確立するため、一連の赤血球結合蛋白の塩基配列を基にPCR用のオリゴヌクレオチドを作成し、熱帯熱マラリア原虫実験室内株から抽出したmRNAを鋳型としてRhopH/Clag多重遺伝子族に関して定量的RT-PCRを行い、実験室内株の各蛋白のmRNAの転写レベルを測定し、比較検討した。さらに、これらの遺伝子の蛋白レベルにおける発現量を調べるため、各メンバー間で交差反応を示さない抗血清を作成中であり、一部作成に成功した。流行地での熱帯熱マラリア患者からのマラリア原虫の採取に関しても、タイ国内のマラリア流行地において実行中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kaneko O, Mu J, Tsuboi T, Su X, Torii M: "Gene structure and expression of a Plasmodium falciparum 220-kilodalton protein homologous to the Plasmodium vivax reticulocyte binding proteins"Molecular and Biochemical Parasitology. (in press).