2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国における慢性砒素中毒の改善と予防対策に関する研究
Project/Area Number |
13576018
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90081661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 教授 (90155648)
相川 浩幸 東海大学, 医学部, 講師 (40102850)
吉田 貴彦 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)
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Keywords | 慢性砒素中毒 / 中国 / 疫学 / メチル化 / 井戸水 / 発ガン性 / DNA損傷 / 8-OHdG |
Research Abstract |
近年、自然由来の砒素による飲料水(井戸水)汚染が原因で地球規模の慢性砒素中毒が発生している。発生地域は中南米諸国(メキシコ、チリ、アルゼンチン)とアジア諸国(インド、バングラディシュ、中国)に集中している。最近、ネパール、ベトナム、カンボジアからも発生が確認されている。現在の推計で慢性砒素中毒患者は数十万人(100万人以下)、そして、潜在的な患者は5000万人に達している。慢性砒素中毒で問題となるのは重度な角化症と皮膚癌である。我々は中国における慢性砒素中毒の発生機序の解明と病気改善や予防対策に関して研究を継続してきた。研究において慢性砒素中毒の原因は無機の5価砒素であること、そして、砒素曝露量と発症時間の関係、病気の改善や予防対策などの方法を明らかにした。慢性砒素中毒の主要な症状である皮膚障害は、5-6年で色素脱色と色素沈着が発生し、その後手のひらと足の裏に角化症が発生する。症状の発生は砒素の摂取量に依存的であり、一日あたりの摂取量(3-5mg)が多い場合は一年で色素脱色、色素沈着、角化症が同時に発生する。慢性砒素中毒の症状は子供より成人が重症であることが確認された。慢性砒素中毒の症状には性差が存在し、男性は女性に比較して明確に重症となる。この研究において、100名の患者を対象とし角化症の改善計画は、一日の砒素曝露を0.1mg以下に制限すると半年、そして、1年後において明確に改善が確認された。砒素により傷害されたDNAも同様に正常な領域まで回復した。この研究の成果は、今後の慢性砒素中毒の改善計画の指針に応用できる科学的な根拠と考える。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Shram, S.Hirano, H.Yamauchi: "Extraction and speciation of arsenic in hair using HPLC-ICPMS"Analytical Science. 17. 1729-1732 (2001)
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[Publications] P.Pi, H.Yamauchi, Y.Kumagai, et al.: "Evidence for induction of oxidative stress caused by chronic exposure of Chinese residents to arsenic contained in drinking water"Environmental Health. 110・4. 331-336 (2002)
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[Publications] 網中雅仁, 山内 博, 木村慎吾, 千葉啓子, 吉田勝美: "日本人健常者の尿中ポルフィリン濃度に関する研究"臨床環境医学. 11・1. 29-35 (2002)
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[Publications] 山内 博, 山村行夫: "中毒診療実践ガイド、砒素"光文堂. 6 (2001)