2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610002
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加地 大介 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (50251145)
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Keywords | 部分論理 / 形式存在論 / 時間論 / オントロジー工学 / 時制 / 様相 |
Research Abstract |
今年度は主に、単純部分命題論理の基礎付けと時間論へのその応用可能性について考察し、それぞれValidity in Simple Partial Logic'「時制と部分論理…始点としての現在」という二つの論文においてその成果を発表した。 前者では、まず古典命題論理を真理付値の部分化によって一般化すると同時に外延的な様相的演算子を付加することによって拡張した、単純部分命題論理の体系を構成した。そのうえで、その意味論的妥当性の定義として考えられるいくつかの候補から二つを正当化して選択し、それに基づいていくつかの意味論的定理を証明した。 後者では、まず四次元主義的に規定された現在世界と各未来世界を直線的に配列した、多世界的存在論モデルを設定した。そのうえで、その中での強弱の必然性言明として過去時制言明と未来時制言明をそれぞれ捉えることによって、単純部分論理を用いて外延的に時制表現を処理できることを示すと同時に、この方法を用いれば、分岐モデルによって未来時制言明を処理する方法が抱えている問題点を克服することができると主張した。 以上の主要実績の他に、「フォーマル・オントロジーの工学と哲学…オントロジー工学の現在とその哲学的源泉」と題する日本科学哲学会のワークショップにパネルの一人として参加し、哲学的文脈における形式存在論と知識工学との接点について検討した。また、ニューヨーク市立大学のA.オレンシュタインとM.フィッティングのもとで研究のレビューを受け、単純部分論理の量化と時間化への展望を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 加地 大介: "時制と部分論理…始点としての現在"哲学雑誌(哲学会). 116・788. 115-130 (2001)
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[Publications] Daisuke Kachi: "Validity in Simple Partial Logic"Annals of Japan Association for Philosophy of Science. 10-5(to appear). (2002)