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2003 Fiscal Year Annual Research Report

時間論理に基づく形式存在論

Research Project

Project/Area Number 13610002
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

加地 大介  埼玉大学, 教養学部, 助教授 (50251145)

Keywords部分論理 / 時間論理 / 形式存在論 / 実体主義 / 時間様相 / ディオドロス様相 / タイムトラベル / 時間生成
Research Abstract

まず(命題)時間部分論理PS4.3を構成した。(命題)単純部分論理SPLについては、メタ論理的考察も含めて昨年までにほぼ必要な研究を完了していたので、今年度は、ディオドロス時間様相論理として知られているS4.3という体系を利用して、それを時間化した。当初は情報工学において標準的時間論理となっているPropositional Temporal Logic (PTL)を用いて時間化する予定であったが、PTLと多くの共通性を持ちながら、より単純なS4.3の方が当研究には適していると判断した。S4.3はそれを特徴づけるクリプキ・フレームが稠密順序列となるので、そこにおける可能命題は、稠密直線時間上の現在または未来の少なくとも一つの時点において真であることを主張する命題として解釈することができるのである。そしてSPLとS4.3を組み合わせた体系PS4.3の構文論と意味論を規定したうえで、タブローによるその証明論を構成し、健全性・完全性・決定可能性が成立することを示した。さらに、いくつかの式を公理として追加することにより、PS4.3に基づいて、実体主義的な時間様相の形式存在論を構成できることを示した。
以上の形式的考察を基礎としながら、タイムトラベルの可能性と時間生成の実在性という、時間に関する二つの具体的な存在論的問題についても考察した。前者については、著書『なぜ私たちは過去へ行けないのか』の第一章において、実体の歴史に即した形で実在する過去と実在しない未来という区別を行い、少なくともパラドクスを引き起し得るような過去へのタイムトラベルは不可能であることを示した。後者については、雑誌『数理科学』2004年7月号の特集「時間の矢」に掲載予定の論文「可能性から必然性への変化としての時間生成」において、できごとの生起自体のなかに可能性から必然性への変化・非実在性から実在性への変化という時間的方向性が含まれていることを示し、そこに時間生成の実在性を見出すべきであることを主張した。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 加地大介: "可能性から必然性への変化としての時間生成"数理科学. 42巻7月号(未定). (2004)

  • [Publications] 加地大介: "なぜ私たちは過去へ行けないのか…ほんとうの哲学入門"哲学書房. 200 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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