2002 Fiscal Year Annual Research Report
数学の哲学としてのヒルベルト・プログラムに関する歴史的・論理学的研究
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13610014
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
金子 洋之 専修大学, 文学部, 教授 (60191988)
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Keywords | ヒルベルト / ブラウワー / 形式主義 / 直感主義 / 数学の哲学 / 証明論 / 心的構成 |
Research Abstract |
本研究は、数学の哲学という観点からヒルベルト・プログラムを考察し、その歴史的な成立過程を明らかにするとともに、現在の数学の哲学における一つの立場としての意義を評価することを目的とした。その成果としては、次の二点を挙げることができる。第一に、ヒルベルト・プログラムは第二不完全性定理によって実行不可能なことが示されたとする公式見解に対し、この公式見解が必ずしも全面的に正しいというわけではないと見ることができるような解釈の余地がこのプログラムには残されている。それは、数学における内包性に関わる問題であり、その点においてヒルベルトの見解にはさらに探求すべき多くの課題が残されていることになり、この点を明らかにできたのは、一つの前進である。第二に、ヒルベルト・プログラムの形成においては、従来とは異なる点でのブラウワーの関与を明らかにすることができた。この点は、今後さらに文献的研究を進めなくてはならないが、少なくとも、ブラウワーの心的構成テーゼと論理的意味論に対する批判とが、ヒルベルトの有限主義および証明論的無矛盾性証明の動機付けの一部をなすことを理論的に明らかにすることができた。こうした観点から数学基礎論の歴史の改訂がどの程度まで進められるかは興味深い問題だが、以上の成果によって、そうした改訂作業の基盤は確保できたと考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 金子洋之: "ブラウワーにおける言語と数学"日本科学哲学会『科学哲学』. 34-1. 21-35 (2001)
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[Publications] 金子洋之: "ヒルベルト・プログラムと不完全性定理-Michael Detlefsenの研究の概要"専修大学哲学会『生田哲学』. 第7号. 46-73 (2002)
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[Publications] 金子洋之: "第7章「数学の哲学」"坂本・野本編『科学哲学』(北樹出版). 97-109 (2002)
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[Publications] 金子洋之: "第3章「コミュニケーションと規約」"山田・野本編『言語哲学を学ぶ人のために』(世界思想社). 227-245 (2002)
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[Publications] Hiroshi KANEKO: "Brouwer's Conception on Language, Mind and Mathematics"Annals of the Japan Association for Philosophy of Science. Vol.11No.1. (2003)