2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610017
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
瀬尾 邦雄 鶴岡工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (90280338)
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Keywords | 人間観 / 反省自覚 / 天人相関 |
Research Abstract |
今般、『大久保隆郎教授退官紀念諭集漢意(からごころ)とは何か』に「存在概念」の中間報告を発哀した。「存在概念」を究明することは人間存在を究明することになるが、本稿においては、その人間存在の骨格を「反省自覚」に求め、反省自覚の面から「人間概念」「存在概念」を論じたものである。「反省自覚」の実践論による人間概念の確立は、普遍的原理としての天との相関関係を成立させ、やがて孟子に至って性説の確立を見るのであるが、本稿では、既に諸子に人間概念と反省自覚の概念の形成を認めながらも、諸子時代はその形成段階であると定義し、『論語』の「見賢思斉焉、見不賢而内自省」(里仁)、「内省不疚、夫何憂何懼」(顔淵)等により、自己省察が深化され人間への自覚が完成されたと論じ、そして『孟子』の「万物皆我に備われり」(尽心上)の様に天人一体説、天人相関に踏み込んだ分、反省がより深くなったと結論付けた。 本稿作成中に生じた課題としては、『論語』『荀子』において多用された「省」が『孟子』では見当たらず、反対に『孟子』に頻出する「自反」が「荀子」では、発見出来ないと言うことが判明した。これは「省」「自反」相互の語彙変化なのか、孟荀二子による思想的変化なのか、今後考察しなけれならないと思っている。 平成14年度は (1)「命」概念が「性」慨念を確立させ、そして性命観へと発展していった。 (2)性説の基本概念に人問の自覚的存在があり、その人間の自覚的存在こそが人間の「存在概念」である。 という事を考察していく。
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Research Products
(2 results)