2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610025
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Research Institution | The Eastern Institute |
Principal Investigator |
堀内 伸二 財団法人 東方研究会, 研究員 (20271504)
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Keywords | 白隠 / 法華経 / 禅 / 天台三大部 |
Research Abstract |
(1)これまで未公開であった東京の龍雲寺に所蔵されていた白隠禅師の直筆の書画が花園大学で公開されることとなったため、その展示品調査のため京都に1回出張した。また注法華経研究の一助とすべく、白隠禅師の書画や自筆本などを多く所有している永青文庫所蔵品の調査にもとづき、白隠禅の特徴を明らかにすべく白隠禅師の数多くの書画のうち、自行にあたる厳しい修行に関する書画と、化他にあたる衆生済度に関する書画に関わる主要なものを、特に賛の仏教学的意味にウェイトをおいて解読し、その成果の一部を京都文化博物館において公にした。 (2)昨年に引き続き、これまでにデータ化した『法華経』諸品に対する註釈部分と『法華経』本文との対照を行いつつデータの再検討と註釈内容の検討を行った。また「信解品」を中心に細註のデータベース化を本年も引き続き行った。 (3)『法華経細注』にたびたび引用されている天台三大部を始め天台典籍の研究を行った。一般に臨済禅は「教外別伝、不立文字」を標榜し、経典は月を指す指であるとして、経典に盛られている教説を軽んじていると受け取られがちであるが、白隠禅師の注釈を見ると、天台の教判をきちんと踏まえた註釈が随所に見られ経典を重んじているという事実があるので、特に天台の教判の部分に照準し研究を進めた。その際に白隠禅師の直弟子である東嶺和尚が著した『宗門無尽灯論』も、天台の教判に言及していることが知られ、臨済禅における教判観を知る上で重要であることが判明したのでその検討を行った。
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Research Products
(2 results)