2002 Fiscal Year Annual Research Report
祝祭・民間習俗・図像の観点から見たキリスト教のヨーロッパ土着化問題
Project/Area Number |
13610032
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田島 照久 早稲田大学, 文学部, 教授 (50139474)
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Keywords | 宗教民俗学 / キリスト教教会暦 / キリスト教のヨーロッパ土着化 / ゲルマン古習俗 / マリア崇拝 / 聖者崇拝 / キリスト教図像学 / ワイン祭 |
Research Abstract |
本年度は特にドイツに残存する民間習俗の現地調査、資料収集及び図像学に関する資料収集、現地調査を重点的に行った.5月にはシュツッツガルト近郊のニュルティゲンで200年以上続いている五月祭の学童による仮装行列を現地取材し、市庁舎で記録文献を入手した。さらにオクセンハウゼンで聖ゲオルゲ騎馬行列が挙行されたのを現地取材した。つづいてハスラッハで開催されている歳の市を調査、さらに図像学に関する資料収集では、ヴュルツブルクを中心としてティルマン・リーメンシュナイダーによるマリア像や聖者像などの彫刻作品を調査した。 8月にもドイツを中心として伝統的な民間習俗を現地調査した。シュツッツガルト近郊のポルツハイムのオクスレフェストと呼ばれるワイン祭を取材、この時期はドイツ各地でワイン祭が催されているが、シュツッツガルトのドイツ有数のワイン祭、さらにヴィンネンデン郊外のハンヴァイラーのワイン搾り機祭、そしてワイン業者祭ではドイツ最古の伝統を誇るモーゼル河畔のヴィンニンゲンのワイン祭りを調査した。 またボン郊外のメヒァーニヒ近郊で行われた1230年当時の中世騎士劇も取材。さらにはゲッティンゲン近くのゴスラールではハウスインシュリフト(建物の壁面に書かれた箴言)、特に18世紀、19世紀のものを調査した。 このほかにはモーゼル河畔のエディガー・エッレにあるクロイツカッペレのドイツ最古の「ワイン搾り機の中に立つキリスト像」を調査した。これらの資料はすべて現在進めている「宗教民俗学資料データベース」に加えてインターネット上で公開する予定である。
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