2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610047
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 寿一 岩手医科大学, 教養部, 助教授 (00201963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日暮 雅夫 盛岡大学, 文学部, 助教授 (70222239)
水野 邦彦 北海学園大学, 経済学部, 教授 (90305897)
加藤 泰史 南山大学, 文学部, 教授 (90183780)
平田 一郎 関西外国語大学, 短期大学部, 助教授 (60280046)
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Keywords | ケアの倫理 / 相互承認 / 良心 / 韓国民族主義 / アクセル・ホネット / 承認論 / 近代 / 自文化中心主義 |
Research Abstract |
本年度、研究分担者は以下のように、マルチカルチュラリズムの原理的な研究と個別的な研究を行った。 1.遠藤:フェミニズムめ倫理的立場のひとつであるケアの倫理の可能性と限界について検討し、女性の経験に根ざしたケア倫理の立場は、公正・正義といった普遍的な概念を基本とする倫理の立場と対立するのではなく、後者の倫理を補完するものとして有効であることを示した。 2.加藤:ハーバーマスの討議倫理学の構想に即して、マルチカルチュラリズムを検討し、特にその「連帯」概念に焦点をあてて、この概念に含まれる問題点を析出し、同時に「連帯」概念と「ネイション」概念との内的関連について分析した。 3.水野:韓国における日本文化のありかたや韓国民族主義を検討し、韓国におけるマルチカルチュラリズムの可能性を展望し、さらに国際文化論形成の上で重要となる理論的・歴史的な条件と枠組みを検討して、韓国にマルチカルチュラリズムが成り立ちうるかを考察した。 4.日暮:フランクフルト学派の伝統のなかで、ハーバーマスの討議理論を人間の実践の多様な領域を包摂する承認論へと拡張したアクセル・ホネットの理論を取り上げ、ホネットがポストモダンの諸潮流やアメリカ・フェミニズム批判理論と交わした論争を通じて、ホネット承認論の現代的座標を確定することを試みた。 5.平田:マルチカルチュラリズムの理論的基盤となる、コミュニタリアニズムとリベラル・カルチュラリズム、ナショナリズムについて、それらの立場相互の関係を考察し、マルチカルチュラリズム自体の近代性と自文化中心主義の重要性を確認した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 遠藤寿一: "異文化への視線(その2)"医事学研究(岩手医科大学医事学研究会). 第17号. 55-70 (2003)
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[Publications] 加藤泰史: "理性の制度化と制度の理性化-『学部の争い』の現代的意義-"ヘーゲル学報(京都ヘーゲル読書会). 第5号. 49-101 (2003)
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[Publications] 加藤泰史: "相互承認・他者・良心-「良心論」の予備的スケッチ-"文化と哲学(静岡大学哲学会). 第20号. 29-50 (2003)
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[Publications] 水野邦彦: "韓国的人間関係素描"学園論集(北海学園大学学術研究会). 第116号. 1-18 (2003)
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[Publications] 水野邦彦: "韓国民族主義の立場"唯物論研究年誌. 第8号. 201-225 (2003)
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[Publications] 水野邦彦: "韓国経済のグーローバル化についての予備的考察"地域経済のグローバル化と大学教育の再編(北海学園学術助成研究報告). 2003年度報告(校正中). (2004)
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[Publications] 日暮雅夫: "単調な原理主義と多様性ある連帯-ヨーロッパ思想史の立場から-"社会文化研究(社会文化学会). 第6号. 125-128 (2003)
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[Publications] 日暮雅夫: "討議倫理学の展開と公共性の形成"研究助成報告論文集(上廣倫理財団). 第13集. 147-163 (2003)
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[Publications] 水野邦彦(共著): "日朝関係史論集"新幹社. 773 (2003)
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[Publications] 日暮雅夫(共著): "批判的社会理論の現在"晃洋書房. 225 (2003)
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[Publications] 日暮雅夫(共著): "文学部の多様なる世界"盛岡大学20周年記念論集. 946 (2003)