2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610075
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高橋 雅治 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80183060)
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Keywords | 意思決定 / 選択行動 / 時間割引 / 報酬割引 / 性格検査 / 認知的熟慮性 / 時間的展望 / Locus of Control |
Research Abstract |
本年度は、被験者の性格要因が報酬の価値割引率に及ぼす効果に関する4つのグループを対象とした実験を行った。これらの実験の主な目的は、性格特性、報酬金額、被験者の母集団が報酬の価値割引に大きな影響を及ぼすかどうかという問題を解明することであった。被験者は、一般の学部学生の2グループ(医学専攻学生、看護学専攻学生)、及び、社会人学生の2グループであった。 実験では、報酬の時間割引を測定するための反応用紙の冊子、および、認知的熟慮性尺度、時間的展望尺度、及び、Locus of Control尺度という3つの性格検査が配布され、それぞれに対して被験者が回答した。 実験の結果、以下の傾向が見いだされた。(1)被験者の母集団(医学または看護学を専攻する学生と社会人学生)により割引率は異なり、社会人学生の方が割引率が小さかった。(2)性格検査の結果による割引率の差異は見られなかった。(3)報酬金額の効果は一貫して見いだされた。(4)社会人学生の効果には再現性が確認された。 これらの結果から、以下の仮説が提案された。(1)被験者の母集団(医学または看護学を専攻する学生と社会人学生)による割引率の差異は金銭管理経験の差異によるかもしれない。(2)性格検査の結果による割引率の差異が見られなかったのは、使用された性格検査が被験者のリスク選好特性を反映していないためであるかもしれない。(3)報酬金額の効果は一貫して見いだされ、かつ、社会人学生の効果に再現性が確認されたことから、今回の結果は信頼性が高いと考えられる。 従って、来年度は、これらの仮説を検証するための実験を行う予定である。
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