2001 Fiscal Year Annual Research Report
規準化脈波容積に及ぼす基礎動脈血液量・脈圧・平均動脈圧の影響
Project/Area Number |
13610092
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
澤田 幸展 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40045539)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 祐一郎 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00325870)
田中 豪一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10167497)
|
Keywords | 指尖容積脈波 / コンプライアンス / 血液容積 / 血圧 / 冷水浸漬 / 暗算作業 / 反応性充血 / 指血管トーヌス |
Research Abstract |
基準化脈波容積(NPV ; Sawada et al.,2001)は近赤外光を用いた光電式指尖容積脈波のac成分をdc成分で除すことで一心拍毎に算出される.本研究では,NPVに対する基礎動脈血液量・脈圧・平均動脈圧の影響を調べるため,新しい血管弾性特性指標としてコンプライアンス指数(CI;=NPV/脈圧)を導入し,2つの実験を行った. 【実験1】女子大学生の被験者12名は2つの異なる水温(44℃,22℃)の水に測定手の反対側の手を浸漬した.それぞれ8分間の安静と浸漬において最後の3分は,指の位置を心臓の高さ,それより低い-15cm,-30cmに置いて測定した(それぞれ1分).その結果,指位置3条件を通して,一心拍毎のCIの対数変換値と平均血圧(MBP)の間に線形回帰が適合することが示された(全体回帰直線).コンプライアンスの条件差を比べるために,90mmHgに対するCIの推定値(CI90)が参照点として任意に選ばれた.CI90は22℃条件で有意に減少していた.結論として,CIはMBPの影響を除去することによって,より妥当な指尖動脈血管トーヌスの指標となると考えられた. 【実験2】CI,血液容積(BV),伸展性指数(DI)の経壁圧(TP)に対する関数関係を調べるため,暗算作業(被験者16名)と反応性充血(被験者5名)実施時の測定を,カフ圧迫法を併用して行った.その結果,CI, BV, DIの対数変換値はTPに対して直線回帰を呈し,任意の参照点40mmHgにおける推定値が得られた(CI40,BV40,DI40).CI40とBV40の感度は高く,CI40の絶対水準はMBP絶対水準と,BV40の反応性はMBPの反応性と有意な相関を示した.結論として,CI40とBV40は指尖部血管トーヌスの敏感で妥当な指標であることが示唆された.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Tanaka, G., Sawada, Y., Nagano, Y., Yamakoshi, K.: "Finger arterial compliance, rather than normalized pulse volume, could be more valid index of the finger vascular tone"Psychophysiology. 38(Supplement 1). S94-S94 (2001)