2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610098
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90146720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 貴秀 慶應義塾大学, 文学部, 助手 (60276392)
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Keywords | 行動ダイナミクス / 微視的分析 / 時系列解析法 / 強化遅延 / 強化間間隔 / 強化省略効果 / 変化抵抗 / 反応間時間 |
Research Abstract |
時間軸上の反応と強化事象の諸相を微視的視点から捉えるのに、(1)反応-強化間時間(強化遅延)、(2)弁別刺激-強化間時間(強化見込み時間)、(3)反応間時間という、3つの微視的変数に焦点をあて、(4)行動データではあまり使われることがなかった時系列解析を適用することが本研究の目的であった。 (1)強化遅延の研究については本年度大きな進展を見せなかった。代わりに、yes-no型遅延見本あわせ課題を用いて見本刺激-比較刺激時間と試行間間隔との関係を検討し、信号検出理論の枠組みに従って分析している。 (2)強化見込み時間が一定であるFIからの強化子提示を時的に省略すると、次の強化間間隔中のFI反応が増加する。この強化省略効果はFIを単独で用いた場面で研究されてきたが、FIとRIの選択場面でもこの効果が見られる一方、この効果は実験セッションの反復によって小さくなるという結果を得た。一方、同じ選択場面でFIの強化間間隔を一試行だけ変化させてその後の反応への効果をみるインパルス実験については、現在ベースライン訓練を遂行中である。 (3)反応間時間の時系列構造に注目した分析を行うために、変化抵抗の実験パラダイムでハトを被験体として、強化率の違う2つの強化スケジュールから構成される多元スケジュールでベースライン訓練を行っている。消去や先行給餌による反応減少操作を行い、動的な反応変容過程を検討する予定である。 (4)時系列解析の準備のためのタッピングやリズム運動等の周期性のある離散データの収集については、Delphiを使ったMIDIシステムの制御プログラムの雛型を完成し、モデル刺激に合わせタッピングを行う能動的追従と、刺激を単に聴くだけの受動的追従によるタッピングの周期的変化のデータを集めている。また、反応によって刺激の提示の仕方を変化できるような、フィードバック制御機能の向上を現在試みている。
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Research Products
(1 results)