2001 Fiscal Year Annual Research Report
半球間の統合作用並びに干渉作用における両半球分配優位性
Project/Area Number |
13610099
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
吉崎 一人 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 助教授 (80220614)
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Keywords | 半球間相互作用 / 注意 / ラテラリティ |
Research Abstract |
本研究は,半球間の相互作用のメカニズムを明らかにすることを目的としている. 研究1では,右手利き大学生を対象に仮名で記された語,非語を左視野,右視野,あるいは左右両視野に瞬間呈示し,語彙判断を求めた.両視野条件は左右視野に同時に同一の刺激が呈示された.語は,普段見慣れた仮名で示されたfamiliar条件とそうでないunfamiliar条件が設定された.その結果,語条件におけるfamiliar条件においては,両視野条件が,一側視野条件の成績より高かった(両視野優位性)のに対してunfamiliar条件において両視野優位性は認められなかった.これらのことから,語表象は左右半球に存在し,その表象の情報には音韻だけ語の形態情報が含まれていることが示唆された.このように左右半球に表象が存在するため,左右半球に投入された情報によって各半球が活性化し,脳梁を介して左右半球が情報交換することで最適な遂行成績をもたらすとも考えられる. 研究2は半球間の統合機能に関するものであった.半球間での統合機能を検討するパラダイムは,2つの情報が1つの半球に投入される場合(一側視野条件)と左右各半球に1つずつ投入される場合(両視野条件)に2つの情報の統合を要求し,その成績を比較するものである.このパラダイムを使用した場合,課題の処理負荷が高まると両視野呈示条件の成績が一側視野条件の成績が高くなる(両半球分配優位性)ことがわかってきた.しかし,最近の申請者の研究(Yoshizaki,2000)では両半球分配優位性を規定する要因として,処理負荷の半球間での均衡も重要であるという知見が得られた.そこでこのことを確認するために,ストループ干渉,逆ストループ干渉を使って検討した.その結果,半球間での処理負荷のアンバランスが両半球分配優位性を低くすることが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)