2001 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童の心の理解能力の発達とその教育可能性に関する研究
Project/Area Number |
13610116
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
若林 明雄 千葉大学, 文学部, 助教授 (30175062)
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Keywords | 意図 / 感情 / 心の理解能力 / 心の理論 / 心的表象 / 特性 / 幼児・児童 / 国際研究者交流(英国) |
Research Abstract |
本研究では,心を理解する能力の発達について,主に他者の心的表象と心的属性の理解の観点から検討を行うことによって,幼児・児童の心の理解能力の発達と,その教育可能性を検討することを目的とする。今年度は,その第1段階として,幼児・児童の心の理解能力を測定する具体的な方法を開発することを目的として,以下の研究を行った。 1.特定の対人状況における登場人物の心的状態について、言語情報とイラストによる課題場面を、意図、感情、特性という要因計画のもとに設定し、具体的な課題場面を複数作成した上で、この課題による予備実験を小学生を対象に実施した。その結果、この課題で測定している心の理解能力が発達的に変化することが確認されるとともに、一定の個人差を示すことが明らかになったため、本研究の海外共同研究者である英国サセックス大学のDr. Yuillと予備実験課題とその結果について協議し検討した上で、本実験課題を作成した。 2.上記1で作成した本実験課題を,幼稚園年長児,小学校2, 4, 6年生を対象に実施しデータを収集した。 3.1で作成した実験課題と,2での実験で得られたデータをもとに,ビデオおよびディスプレイでの刺激提示を使用した課題を作成した。今回は,まず予備実験用の課題として,成人を対象とした静止画および動画刺激を作成し,登場人物の感情,意図,その他の心的状態についての自由報告を求め,その回答をデータベースとして回答用の選択肢を作成するとともに,その選択肢を使用して再度別の対象に回答を求め,課題としての妥当性を検討した。また,回答までの個別反応時間を測定し,回答傾向と合わせて分析することによって,被験者の心の理解能力における個人差を効果的に測定する方法を検討した。
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