2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610134
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宇津木 成介 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70283851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島袋 恒男 琉球大学, 教育学部, 教授 (30178959)
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Keywords | 国内の移動 / 異文化適応 / 大学生 |
Research Abstract |
大学入学を契機に居住地を異にする移動を行った大学生の,大学生活への適応状況について,自宅通学の大学生のそれと比較し,また同様に居住地を異にする移動を行った場合においても,共通する地域文化圏内の移動と圏外の移動にづいて適応状況を比較することが本研究の目的である。研究計画の初年度においては,琉球大学版と神戸大学版の2種の質問紙を作成し,主として琉球大学の学生を対象に第1次調査を実施するとともに,琉球大学の学生に対して聞き取り調査を行った。また,それらの調査結果の概要について,日本心理学会第65回大会において発表した。 本年度はこの結果を受け,前年度の調査結果の分析を進めるほか,神戸大学において217名の学生を対象に質問紙による調査の実施,神戸大学における聞き取り調査の実施,琉球大学における主として島嶼部出身の学生を対象とした聞き取り調査の実施を行った。神戸大学における質問紙調査では,50名の新入生を対象に,入学直後と夏休み直前の2回調査を行うことにより,大学生活や地域生活への慣れの効果について分析した。 本研究における重要な作業仮説の一つは,自宅への帰省に要する時間と費用が適応に関する質問項目と関連するであろうというものである。この点について,時間や費用の比較的大きい琉球大学の学生について検討した結果,帰省に要する費用は,「親しい友人がいない」「一人になりたいと思うときがある」「周囲の人たちと心理的距離を感じる」等の質問項目と統計的に有意な相関が見られた。この結果については,日本心理学会第66回大会において発表した。 地域文化圏に関する聞き取り調査の結果,鹿児島県に所属する沖永良部島,徳之島等であっても,学生の帰属感は琉球文化に強くみられることが推察された。
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Research Products
(2 results)