2002 Fiscal Year Annual Research Report
マッカーサー乳幼児言語発達質問紙の開発と研究(II)
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13610135
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 神戸大学, 文学部, 教授 (60031720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿巻 徹 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (70142172)
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Keywords | マッカーサー乳幼児言語発達質問紙 / 標準化作業 / 推定値 |
Research Abstract |
(1)マッカーサー乳幼児言語発達質問紙「ことばと文」版データ全回収データについての「3つの最長発話」の平均最大文長を算出した。 (2)「ことばと身ぶり」版データ1230名と「ことばと文」版データ2861名のデータから各尺度毎に男女別、男女こみでの推定値の算出を行なった。各月齢ごとの観測値のパーセンタイル値へのlogistic model適用での推定値では月齢を越えてみるとパーセンタイル値の逆転が起こり、標準化のための推定値として使用できない。そこで、数学の専門家の助力をえて、推定値の算出の作業を行なった。logistic model適用のためには「個人の比率データは各項目への反応が同じ比率で独立に生起し、合計点は二項分布に従う」という前提が必要である。標準化最終データは各尺度で項目間差が有意で二項分布の仮定が満たされていなかった。そこで、二項分布に近づけるために、各尺度毎に、各月齢で全員が無回答であった項目を除外し、各個人の尺度毎の回答率を算出した。個人の観測値をlogit変換し、項目間差を等分散(二項分布)に近づけ、logistic modelを適用し、推定値を算出した。推定値と観測値の残差平方和をAkaike's information criteria (AIC)で検討した。その結果、身ぶり、「ことばと文」版の語彙、文法ではひとつの回帰式ではあてはまらず、折れ線回帰分析をすることが必要となった。この事実は身ぶり、語彙や文法発達ではspurtの時期があり、単純な増加曲線では説明できないことを示していた。さらに、各パーセンタイルで折れる時期が異なり、late talkerは発達の速度は異なるがspurtは生起することなどが明らかとなった。 (3)各尺度の信頼性係数、各項目の年齢推移を算出した。 (4)出版のため「ことばと身ぶり」「ことばと文」版のマニュアルと質問紙を作成した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小椋 たみ子: "自閉症児の模倣とコミュニケーション"発達. 92号. 9-15 (2002)
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[Publications] Ogura, T.: "Caregiver inpit in Japanes : use of nouns and verbs in book-reading and toy-play contexts"The 9th Congress International Association for the Study of Child Language. 164 (2002)
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[Publications] 小椋 たみ子: "子どもの幼児語、母親の育児語使用と子どもの言語発達"日本発達心理学会第14回大会発表論文集. 235 (2003)
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[Publications] 綿巻 徹: "自閉症児の語用障害"発達. 92号. 30-37 (2002)
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[Publications] 綿巻 徹: "初期文法発達の基底にある認知的および社会的側面"日本認知言語学会論文集. 2巻. 288-291 (2002)
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[Publications] 小椋 たみ子: "心理学の方法"ナカニシヤ出版. 245 (2002)
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[Publications] 小椋 たみ子: "言語発達とその支援"ミネルヴァ書房. 321 (2002)