2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610149
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 茂 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (90183516)
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Keywords | 情動のしなやかさ / 乳幼児 / 親子関係 / 縦断的観察 / 小学校入学 / ビデオ育児日記法 / 仲間関係 / 遊び心 |
Research Abstract |
<目的>いわゆる「切れやすい子ども」が増加しているといわれる今日の社会状況の中で、「情動のしなやかさ」はどのような発達環境で育つのかを乳児期から幼児期にかけての「遊び心ある対人交渉」の縦断的観察から明らかにしようとすることである。そこで、かつて、親・兄姉との家庭内での戯れ合いを「ビデオ育児日記法」によって、生後半年から2歳まで縦断的に観察した1995年生まれの子どもたち20名のうち、現在でも協力を得られる状態にある12名について、小学校入学後の適応状態を調査することにした。 <今年度の実施内容>今年度は、その内の早生まれの半数6名を対象として、次の尺度について調査を行った。 1.母親面接:(1)回想的評定〜これまでに起きた家族の出来事について話してもらい、印象的な順に順位付けをしてもらう。(2)育児の楽しさ〜調査対象児の育児について、a.全体的印象・感想、b.印象的な思い出、c.嬉しかったこと、d.大変だったこと(3)最近の対象児の社会・情動的特性の評価〜CBQ、 2.幼稚園・小学校担任教諭への面接〜対象児の社会・情動的特性の評価 3.対象児面接:幼稚園、小学校での適応状態、仲間関係についての口頭での自由回答 4.対象児行動観察:親子・同胞とパズルをしている場面、及び、友達とパズルをしている場面を親にお願いをして、ビデオ録画してもらった。 これらの尺度を通して、親子ともに、どのような困難な状況をどのように乗り越え、どれほどそれを肯定的にとらえて語る傾向にあるかを評価する。さらに、乳児期に得られたデータとの相関関係を明らかにする。これらの分析については、次年度に行う予定である。
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