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2001 Fiscal Year Annual Research Report

ユニークフェイス児の対人コミュニケーションの発達

Research Project

Project/Area Number 13610152
Research InstitutionMiyagi Gakuin Women's University

Principal Investigator

足立 智昭  宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30184188)

Keywordsユニークフェイス / 顔 / 障害 / 口唇裂口蓋裂 / 非言語的行動 / 児童 / 対人コミュニケーション
Research Abstract

【目的】本研究は、容貌の障害(ユニークフェイス)で最も頻度が高い口唇裂口蓋裂者に見られる非言語的特徴が、発達のどのような過程で、またどのような原因で形成されるかを明らかにすることを目的とした。
【方法】被験児:5歳〜9歳までの口唇裂口蓋裂児63名、及びこの疾患をもたない児童20名。
面接:母親が面接者となり、被験児と5分程度の面接をした。面接は、半構造化面接法により行った。
撮影:母親と被験児は、1.7mの距離を置いて、対面してイスに座った。母親の前に2台のカメラを設置し、1台は被験児の顔を、1台は被験児の全身を撮影した。また、被験児の後ろに1台のカメラを設置し、被験児の頭越しに母親の全身を撮影した。
【結果】2名の発達心理学専攻の大学院院生が、4-Point Likert Scaleによって、被験児の鼻と唇の変形の程度、唇と顎の動きの不自然さ、視線の逸れる程度について評定を行った。その結果、両評定者、いずれの尺度とも、口唇裂口蓋裂群の方が対照群よりも有意に得点が高かった。
【考察】従来、口唇裂口蓋裂者に、社会的不適応が生ずる原因として、鼻め変形や唇の瘢痕などめ審美的な要因があるとされてきた。確かに、今回の被験児の場合でも、口唇裂口蓋裂群は対照群よりも、鼻の変形や唇の瘢痕が目立つと評定された。しかし、本研究の結果、それらの点以外に、唇、顎、視線の動きにおいても、口唇裂口蓋裂群は対照群と異なることが明らかとなった。唇や顎が左右に歪んで動く場合、何か不自然な表情(例えば「隠された意図」がある表情)として知覚されることが知られており、それが彼らの対人コミュニケーションに不利益をもたらしている可能性がある。また、視線の不自然な動きも、知覚者に対して、熱意の乏しい発話者との印象を与える可能性がある。唇や顎の動きは疾患に起因する機能的なものと考えられるが、後者の視線の動きは、後天的に学習された、彼らの対人コミュニケーションにおける非言語的特徴であると考えられる。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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