2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610153
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
今井 芳昭 流通経済大学, 社会学部, 教授 (20192502)
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Keywords | 順序効果 / 依頼 / 説得 / 応諾 / 与え手 / 受け手 / 自我関与度 / 精緻化見込み理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、説得や依頼において与え手(influencing agent)が受け手(influencing target)に与える情報の順序が受け手の応諾率に与える影響(順序効果)を明らかにすることである。本年度は、3つの質問紙実験、2つの現場実験を行い、目下、1つのインターネット実験を計画中である。 質問紙実験においては、まず、テロ報復における自衛隊派遣、電車内における携帯電話使用をテーマにして、それぞれ賛成、反対の説得文を作成し、その提示順序を変えて被験者に提示した。説得文の前後に態度測定を行い、その変化を算出したが、順序効果は認められなかった。また、別の質問紙実験においては、CDの貸与、チケットの購入、相談に乗ることを友人から依頼されるが、その際に受け手にとってコストの大きい依頼と小さい依頼の順序が実験的に操作された。しかし、この場合も、順序効果は認められなかった。 現場実験においては、簡単な事務作業の手伝い、ボランティア活動の手伝い、段ボール箱の運搬という内容で、キャンパス内を1人で歩いている大学生に依頼を行い、その際の応諾率を測定した。依頼方法は、単純依頼、段階的依頼、譲歩的依頼、ポジティブ→ネガティブ(被験者にとって望ましいことを述べた後、あまり望ましくない情報も与え依頼する方法)、ネガティブ→ポジティブを設定した。この場合も順序効果は認められなかったが、女性が男性に段ボールの運搬を頼む場合は、2段階の段階的依頼法における応諾率が最も大きいことが見出された。 来年度は、説得状況と依頼状況に分け、それぞれにおける順序効果の有無を明らかにしていく計画である。
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