2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610157
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
黒沢 幸子 目白大学, 人間社会学部, 教授 (00327107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 俊夫 東京大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80210128)
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Keywords | スクールカウンセリング / システム構築 / 仲間関係 / 接近可能性(accessibility) / ストレス / レジリエンス |
Research Abstract |
平成16年度「スクールカウンセリング(SC)のシステム構築」に関して、私立女子中学・高等学校3校および区立中学校1校において、継続的な生徒ニーズアセスメント、SC活動のモニタリング、SCシステムのメンテナンス活動が行われた。中でも生徒ニーズアセスメントは、生徒の経時的な状態の変化、その仲間関係、SCシステムへの接近可能性(accessibility)に主に焦点が当てられた。その結果、生徒の状態は年毎に変化していくというよりも、学年コホート毎の特徴がそのまま持続される傾向にあること、生徒の仲間関係のあり方がそのストレス状態と関連を有していること、またその仲間関係のあり方はSCシステムへの接近可能性とも関連を有していること等が明らかとなった。 平成16年度より、ある都立高等学校(チャレンジスクール)が新しく開校し、そのSCシステムの構築に参画した。当校は中学時代までに不登校を体験している生徒を幅広く受け入れるものであるため(実際、新入生全体の6割強が不登校体験者であった)、SCシステムに対するニーズの高いコミュニティであると想定され、臨床心理士1名(スクールカウンセラー)、臨床心理学を専攻する大学院生3名(メンタルサポート・ボランティア)を含む全校的SCシステムが構築された。その中で、生徒ニーズアセスメント、個別相談活動、グループ相談活動、コンサルテーション活動等が展開された。生徒ニーズアセスメントには、生徒のストレス関連尺度に加えて、新たに開発されたレジリエンス(危機から立ち直る力)尺度が盛り込まれた。追跡調査の結果、入学時点での生徒のレジリエンスは、半年後のストレス状態を間接的に予測することが示された。 さらに平成16年度より、ある区との協働事業として、学生ボランティアを区立小・中学校に派遣する事業を開始し、そのシステム構築と、活動のガイドライン作成、経時的な活動モニタリング、およびスーパービジョンを行った。現在その評価研究を行っている。
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Research Products
(1 results)