2001 Fiscal Year Annual Research Report
点訳・音訳等奉仕員の養成に関する今日的課題 ―諸外国との比較を含めて―
Project/Area Number |
13610179
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
石田 久之 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(視覚障害系), 助教授 (50151379)
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Keywords | ボランティア養成 / 視覚障害 |
Research Abstract |
■本研究は、点字図書館等で行われているボランティア養成について、点字図書館等の養成者、現在養成講座受講中の者、養成講座を修了しボランティア活動を行っている者のそれぞれから問題点とその解決法を聴取し、これらを諸外国におけるボランティア養成と比較する事により、ボランティア養成についての国内後進図書館、海外後進国へのノウハウ提供を試み、ボランティア養成の全般的底上げを行うことを目的としている。 ■平成13年度の研究概要 平成13年度は、国内におけるボランティア養成の問題点を明らかにする事を主な目的とした。 ・養成講座受講中の者、修了しボランティア活動を行っている者十数名に対し、養成カリキュラムの問題点、、実際の活動との相違点・矛盾点などについて、聞き取り調査を行った。調査はテープ記録し、研究補助員により、テープおこしを行い、内容を要約した。 ・点字図書館のボランティア養成は、週1回程度で半年から1年である。手打ちを基本としているが、近年のコンピュータ点訳に対応し、パソコンを教える講座もある。問題点としては、講座の全期間を続ける事が出来な、い人がいる、パソコン点訳を教えるところでは、パソコンの数が少ないなどの問題が挙げられている。また、点字図書館などでは、職員の数が少なく、講座の開講により業務に遅滞を招く恐れなども指摘されている。 ・ボランティア団体において、新規入会する場合、ボランティア養成講座を受講したか否かは、それぞれ違っており、必須の団体などもあるが、概ね、その必要はないというものであった。これは、各団体で独自にボランティア養成講座を開講しており、入会者に随時、点訳・音訳等の手ほどきを行っている為と思われる。ここでも、長続きしないなどの問題が指摘されている。 ・海外調査については、上海・台湾などアジア地域を訪問したが、日本のような体制は組まれていないようである。上海では、盲学校などでの点訳などが盛んである。台湾では、盲児の親などが教育や点訳、点図の作成に積極的であり、他の親も加わって、ボランティア的な活動を行っているが、日本に見られるようなボランティア団体ではない。 ・次年度についても同様の視点からの調査を、特に海外について行い、日本との違いをよりいっそう明確にし、その優れている面を取り入れ、啓蒙を行う予定である。
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