2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳障害肢体不自由児・者のネットワーク・コミュニティにおける社会的体験と自立意識
Project/Area Number |
13610184
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
米川 勉 九州女子大学, 文学部, 教授 (20220759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 薫 西南女学院大学, 保健福祉学部, 助教授 (70279363)
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Keywords | 脳性マヒ児・者 / ネットワーク・コミュニティ / 社会的体験 / 自立意識 / 社会的自立 / 情報発信 / 障害児・者 |
Research Abstract |
ネットワーク・コミュニティのホームページ(HP)が、情報社会へのポータルサイトとしての働きを果たすようにコンテンツの整備に努めるとともに、HPを媒介とした参加者相互の交流を調査した。個人HPは、一定数の人が観ているにも関わらず、開設を希望する人があまり増加せず、障害者の自発的な活動が出てくるまでに時間がかかることを実感した。新しく開設したHPでは、日常生活の紹介や、作業所での沙織織りの様子や作品の紹介、車椅子ダンスの写真などが登場した。最初は恥ずかしがっていた参加者も、公開したHPを身近のパソコン画面で見て、非常に喜んでいた。HPを準備する際には、メールや電話、手紙で何度もやり取りをしており、情報を公開するための準備自体が障害をもった壮・青年の社会的体験となっていた。また既存のHPでは、写真集などが追加された。参加者に積極的に自分の経験を後進に伝ようとする態度が見られるようになり、HPを介して徐々に世代や障害を越えた交流が見られるようになった。 次の段階として、HP作成者に面接調査を行った。彼らには、HPを見た人から感想や問合せが寄せられたり、近隣の団体から講演依頼があったりと、公開を切っ掛けに新しい体験が始まっていた。途中、NPO職員から市会議員になる人が出たので、その経過も詳しく追った。インタビューを通して、情報機器の使用、インターネットによる情報収集、電子メールによるコミュニケーションの拡大が、使用者の社会的な活動範囲を広め、自立意識を高めていったことが明らかになった。実社会のネットワーク・コミュニティでの体験は、障害者の自立意識を更に高めているようであった。 心理リハビリテイション・ネットワーク・コミュニティ URL http://psyc.sinsha.kwuc.ac.jp/netcom/
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