2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610193
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
駒井 洋 筑波大学, 社会科学系, 教授 (20058100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 眞二 筑波大学, 教育学系, 教授 (80170033)
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Keywords | 帰化 / 在日韓国・朝鮮人 / 中国人 / アイデンティティ / 帰化者団体 / 帰化手続き / 帰化意識 / コリア系日本人 |
Research Abstract |
帰化にかんする基本的文献としては、金栄達編『数字が語る在日韓国・朝鮮人の歴史』明石書店、1996年、同『在日朝鮮人の帰化』明石書店、1990年、過放『在日華僑のアイデンティティの変容』東信堂、1999年がある。またチョン・ヤンイ氏は原国籍別帰化数などの重要な情報をインターネットで公開している。帰化者の最大の団体としては、コリア系日本人を構成する「成和クラブ」がある。1965年に設立された大阪のほか6地域にクラブがあり、「全国成和クラブ連合会」を形成している。 帰化者にたいするインテンシブな聞き取り調査をおこなった結果をみると、在日韓国・朝鮮人、中国人、欧米系などの出自集団によって、帰化意識に大きな差異がみられた。在日韓国・朝鮮人はすでに日本での定住が長く、子どもが外国人として処遇されることに不満を感じて帰化を決意することが多いが、中国人のばあいには積極的に権利を獲得するために帰化を決意する。また、帰化手続きの煩雑さには多数のクレームが聞かれた。とりわけ必要書類の多さと、手続き期間の長さには批判が集中した。エスニック・アイデンティティについては、在日韓国・朝鮮人のばあい朝鮮民族の血を引いていることの誇りと日本国籍取得とが矛盾せず両立するという意識がみられた。中国人のばあいには、国籍取得を手段とみなすいわば便宜主義者が多かった。
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Research Products
(2 results)