2002 Fiscal Year Annual Research Report
NPOシステムの形成に寄与する規範意識と公共性概念の研究
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13610202
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三上 剛史 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80157453)
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Keywords | 道徳 / 規範 / 公共性 / ルーマン / ハバーマス / デュルケーム / パーソンズ |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の成果を踏まえて、規範論・道徳論についての理論的・学説史的考察を深めた。そのためにまず、ドイツ連邦共和国に出張し、エアランゲン・ニュールンベルグ大学社会科学研究所などにおいてドイツの研究状況を調査しつつ、研究交流を行った。また、2001年の日本社会学史学会シンポジウム報告の成果「ハバーマス=ルーマン論争の学史的意味とモダニティ-デュルケームと関わらせて」(『社会学史研究』第24号:2002年6月)の延長上で、二つのシンポジウム報告と研究会討論を行った。 2002年12月に、『T・パーソンズ生誕百周年記念国際シンポジウム』が法政大学で開催されたが、ここで招待報告を依頼され、「ハバーマスのパーソンズ受容と規範の更新-現代社会学の規範主義的理論構成-」と題する報告を行った。またその1週間後には、オックスフォード大学セントキャサリンズカレッジ神戸インスティチュートにおける『パーソンズ・セミナー』に招待され、ここでも諸外国の研究者に混じって"Habermas' acceptance of Parsons and renewal of norm"と題して英語による報告を行った。この報告は2003年中に他の報告と共に単行本として出版される。また2002年9月には、デュルケーム研究会からの依頼により、西南学院大学において、コメンテーターとして法社会学関係研究報告へのコメントを行った。 刊行された研究成果は、上述の2002年6月刊行の『社会学史研究』に掲載された「ハバーマス=ルーマン論争の学史的意味とモダニティ」ならびに、2003年3月の『国際文化学研究』第19号に掲載される「未刊の論争」の二つである。2003年度中に「複合社会の共生空間」(『産業化と環境共生』ミネルヴァ書房)および上述のシンポジウム報告「ハバーマスのパーソンズ受容と規範の更新」も刊行される予定である。次年度はこれらの成果をより発展させて、道徳問題についてのより深い研究を目指したい。
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Research Products
(2 results)