2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者サービスの整備と高齢者の地理的移動の関係についての研究
Project/Area Number |
13610206
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小川 全夫 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (40041016)
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Keywords | 高齢者 / 地理的移動 / 社会サービス / 都道府県 / ベビーブーマー / ニューエイジング |
Research Abstract |
本年度は、2000年センサスの市町村データの公刊が、出揃わなかったので、基本的には、ホームページ管理の基盤整備を行う結果となった。入手した2000年センサスデータについては入力作業を行った。 基本的な問題関心については、安立清史と共編著で「ニューエイジング:日米の挑戦と課題」と題して、九州大学出版会から出版した本で公表した。 つまり戦後ベビーブーマー世代(日本の場合は団塊の世代といわれる)が、地方から東京都に集中した後、徐々に東京近郊の神奈川、埼玉、千葉の各県に再移動しているという地理的移動の実態を明らかにして、今後はこの世代のニーズに即した社会サービスの開発について社会実験が必要になることを明らかにした。移動のニーズや社会サービスのニーズもその一部である。 また、現状において、人口構成と新しい社会サービスとの関係がどのような状態にあるのかについては、市町村データがそろわなかったので、都道府県レベルでの比較分析を行い、たとえ同じような人口高齢化のもとにあっても、必ずしも同じような地域状態が導き出されるのではなく、さまざまな要因によってパターン化が生じることを明らかにした。パターン化の要素としては、「農村性」、「地域福祉性」、「施設福祉性」の3因子が導き出され、これらの組み合わせの中にそれぞれの都道府県が位置付けられることがわかった。 この研究成果は日本スウェーデン高齢者及び高齢化セミナー、バンクーバーで開催された世界老年学会議において発表するほか、西日本社会学会でも口頭発表を行った。
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Research Products
(1 results)