2001 Fiscal Year Annual Research Report
近代化にともなう葬送儀礼の変化に関する国際比較研究
Project/Area Number |
13610229
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
嶋根 克己 専修大学, 文学部, 助教授 (20235633)
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Keywords | 葬儀 / 葬送儀礼 / 国際比較 / 近代化 / 墓地 / 戦没者慰霊 / フランス / アメリカ |
Research Abstract |
本研究の目的は、社会の近代化が葬儀という社会現象にいかなる影響を及ぼすかについて、国際間の比較を踏まえて実証的に研究しようとするものである。文化人類学や民俗学では伝統的社会における葬送儀礼の研究が蓄積されているが、近代社会における葬儀の実態、およびその国際比較はほとんど行われてこなかったからである。 第1年度の今年度はアメリカ合衆国とフランスにおける葬儀の実態についての資料の蓄積に努めた。具体的な海外資料の収集過程は次の通りである。 平成13年8月から9月にかけてアメリカ合衆国ヒューストンとニューオーリンズを訪問した。ヒューストンでは(1)世界最大の多国籍葬儀会社であるSCI本社を訪問し、葬儀産業の国際化の実態についてヒアリング調査を行った。(2)フューネラル・ホーム(総合葬儀会館)において実施された二つの葬儀に参列し、その様子を記録した。(3)フューネラル・ホームに附設された墓地、火葬場を見学し、その実態と経営についてヒアリング調査を行った。(4)国立葬儀歴史博物館と葬儀サービス学院を見学した。ニューオーリンズでは、歴史地区に残されている植民地時代からの墓地においてフランス、スペイン、アメリカなどの多文化が混交した特殊な形態についてフィールド調査を行った。これらの調査結果の多くはビデオ、音声テープ、写真などに記録され、必要と思われる資料についてはネイティブに依頼し詳細な書き起こし記録を作成し、後日の分析に供された。 また平成14年3月にはフランスを訪問し調査研究を行った。フランスでは主に戦没者慰霊の実態についての資料調査にあたり、アンバリッド(廃兵院)博物館、レジスタンスと強制移送博物館などにおいてフランスにおける戦没者慰霊に関連する文献の収集に努めた。 以上を踏まえて、来年度は調査対象域をアジア地域に広めると同時に、欧米地域の実態研究をさらに深く行う予定である。
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Research Products
(1 results)