2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13610245
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
塚田 守 椙山女学園大学, 文学部, 教授 (80217273)
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Keywords | ライフヒストリー / 教育 / アメリカ / 国際研究者交流 / 教師 / 大学入学許可制度 / カリフォルニア州 |
Research Abstract |
アメリカ教師に関する文献研究とアメリカ教師に対するライフヒストリー的インタビュー調査の2年目の成果(サン・ノゼにおけるインタビュー調査) 1.アメリカの教師にみられる世代による差についての知見 (1)50歳〜60歳以上の教師たちの教育改革志向には、1960年代に起こった公民権運動の影響が大きく、その改革の核をなす「平等志向」はその運動に関わった経験によるものであると、インタビュー対象者によって語られた。この世代の教師の理解のためには公民権運動という「歴史的時間」の要素が不可欠である。 (2)50歳以下の教師たちのインタビューにおいては、政治的志向の帯びた教育改革についての語りはなく、一個人としての教師の生き方についての語りが中心であり、前の世代と異なり、「個人生活指向」が強調される傾向があった。 2.カリフォルニア州教育状況についての知見 (1)カリフォルニア州においても、日本の県レベルに見られるような学校間格差がある。日本における学校間格差は県レベルの高校入試による学力の格差であり、カリフォルニア州における学校間格差も「学力の格差」として描写できるが、それは居住地域による相違、生徒の人種民族的背景による相違などに起因している。また、その「学力の格差」はカリフォルニア州の試験ではなく、全米で標準化されたSAT(学力適性試験)によって行われる。 (2)大学入学許可制度は日本とは異なり、入試や推薦入試で行われず、SAT、GPA(学業成績の平均点)、高校での履修科目、志願理由エッセイ、学内外の活動など多面的な選抜方式が採用されていることは知られているが、大学進学に有利な科目群としてAP(Advanced Program)の存在がある。APで取得された単位は大学の単位とみなされ、APをどれだけ履修しているかが、大学入学許可の重要な要素となる。APはそのプログラム内容、担当者の業績など第三者機関による厳しい審査されるものであるので、そのプログラムを履修した生徒への評価は高くなるというシステムである。
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Research Products
(1 results)