2001 Fiscal Year Annual Research Report
高校教育改革における地方の政策形成システムと政策立案能力に関する実証的研究
Project/Area Number |
13610269
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横井 敏郎 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (40250401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 達夫 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70001823)
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Keywords | 高校教育 / 高校統廃合 / 政策過程 / 校長養成 |
Research Abstract |
1.今年度は、高校統廃合に関する政策形成・決定・実施過程においてボトムアップ型の都道府県の代表として、北海道を対象とした。特に留萌市と富良野市の事例を検討した。 2.留萌市について、横井は以前から調査を進めていたが、今年度さらにそれをヒアリング等によって補強し、論文「地方における高校統廃合の政策過程-北海道留萌第1学区の事例から-」をまとめた。これをまとめる過程で、北海道教育委員会の高校配置政策と北海道産業教育審議会の高校職業学科配置政策についても資料収集と分析を行った。これによって、【encircled 1】道教委は地元の地方自治体・高校の協議と意思を尊重する姿勢を取っている、【encircled 2】地元自治体が自主的に協議組織を作った、【encircled 3】統廃合の結論を出すに当って高校校長の果たした役割が大きかった、という知見が得られ、地方に「自律性」を媒介にして現代の教育行政が存在しうることを示す手がかりを得た。 3.富良野市の高校統廃合については、横井・小出は富良野市教育長および富良野緑峰高校教頭への数度のヒアリングおよび資料収集を行った。 4.地方の政策立案能力に関して校長の政策力量が重要になる。これにかかわって、横井はアメリカ・オレゴン州のポートランド州立大学(Portland State University)教育学研究科の校長養成プログラムを1ヶ月間体験的に視察することができた。そこでの校長養成プログラムの要点は、【encircled 1】校長は教師とは異なった専門性を有する職能をもっていること、【encircled 2】校長に求められている能力はマネージメントだけでなくリーダーシップであること、【encircled 3】実践現場で通用する力量を形成するためにプラクティカムが重視されていること、などである。分権化を進めるアメリカにおいても、リーダーシップと実践力量が「自律的」な政策形成の条件として追求されていることが明確に分かった。
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Research Products
(1 results)