2003 Fiscal Year Annual Research Report
戦後ドイツにおける青少年問題への取り組み―異文化理解教育の視点を中心に―
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13610275
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
畔上 泰治 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (70184174)
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Keywords | 共同体異分子 / 外国人労働者 / ネオナチ / 青少年保護 / インターネット犯罪 / 異文化接触 / 共同体異分子 |
Research Abstract |
第二次世界大戦後のドイツにおける教育は戦争に対する深い反省から出発した。取り分けアメリカ合衆国やイギリス,そしてフランス占領地区においては、ナチ政権がユダヤ人やシンティ・ロマなどを「共同体異分子」として暴力を用いて排除したことに向きあい、徹底した脱ナチ化政策が実行された。こうした中において宗教や言語など文化を異にする人々との共存を目指した異文化・他民族理解教育は大きな位置を占めていた。 その重要性は、東西分裂後の西ドイツにおいては、「奇跡的な経済復興」にともなう「外国人労働者」およびその子弟の増加を前に、ますます高まっていった。その中においては、非キリスト教文化圏出身者、取り分けトルコ人労働者・子弟との共存が大きな課題であった。 1990年の東西ドイツ統一後は、厳しい社会的な現実に対する不満が次第に顕在化するようになった。統一にともなうインフラ投資のための増税、経済不況による高い失業率などを背景に、人々の不満は社会的弱者に向けられた。取り分け90年代にはネオナチ等の極右勢力による暴力行為が頻繁に起こるようになった。これは戦後一貫して脱ナチ化を唱えてきたドイツの教育界にとっては大きな衝撃であった。 その中でまた、マルチメディアの発達が青少年の行動に与える影響も大きなテーマとして登場してきた。即ち、インターネット等を通した外国メディアとの接触は、異文化理解教育において大きな貢献をなしうる一方で、他方においては犯罪の助長という負の側面をも提供していることに対する対応が大きな課題となった。異文化との接触、取り分けインターネット、コンピュータゲーム、CD、DVDなどのメディア・ソフトを通した多量の情報を前にして、如何に若年者を保護するかという課題がいま突きつけられている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 畔上泰治: "「共同体異分子の処遇に関する法律」案-法制史的考察-(I)"言語文化論集. 62号. 1-41 (2003)
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[Publications] 畔上泰治: "「共同体異分子の処遇に関する法律」案-法制史的考察-(II)"言語文化論集. 63. 41-77 (2003)
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[Publications] 畔上泰治: "「共同体異分子の処遇に関する法律」案-法制史的考察-(III)"言語文化論集. 64. 81-91 (2003)
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[Publications] 畔上泰治: "「共同体異分子の処遇に関する法律」案-法制史的考察-(IV)"言語文化論集. 65(印刷中). 1-49 (2004)
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[Publications] AZEGAMI, Taiji: "Einige Bemerkungen zu Paul Werners "Entwurf eines Haupterlasses aus Anlaβ des Gemeinschaftsfremdengesetzes""Festschrift fur Shuichi Inoue(仮題). (印刷中). 152-206 (2004)